下痢が続く中で鉄分不足などによる貧血の症状を併発すると、体のだるさやめまい、倦怠感が重なって日常生活に大きな影響を与えます。
原因は腸の炎症性疾患や感染症、あるいは慢性的な食生活の乱れなどさまざまで、複数の要因が絡み合っている可能性もあるため、検査を受けて原因を特定し、治療を進めることが大切です。
ここでは、下痢と貧血が同時に見られるときの具体的な検査方法や治療のポイントを解説し、内視鏡検査(大腸カメラや胃カメラ)に発展する理由や利点にも触れます。
下痢と貧血が併発する可能性とは
下痢が長引くうえに貧血を伴うときは、普通の下痢とは違って原因が複雑な場合があります。腸管の慢性的な炎症や、大腸・小腸での栄養吸収障害など、複合的な病態が考えられるからです。
併発する背景
下痢の頻度が増えると、体に必要な栄養素や鉄分などの微量元素を十分に吸収できないことがあり、長期にわたって下痢が続くと、体内に鉄が不足してヘモグロビンの合成がうまくいかず、貧血を起こしやすくなります。
さらに腸の炎症性疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)でも、出血や粘膜障害が起こり、下痢と貧血が同時に進むことが多いです。
日常生活への影響
睡眠不足や栄養バランスが崩れた食生活では腸内環境が悪化しやすく、下痢と貧血を招き、下痢が続くと体力の低下だけでなく、水分調節がうまくいかなくなり脱水状態が進むこともあります。
- 食事から必要な栄養素を十分に吸収できない
- 疲労感やだるさで活動量が低下する
- 免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなる
- 精神的ストレスが増えて体調管理が難しくなる
症状が表れやすい年齢や性別
若年層の方は食事内容が偏りがちになり、中高年の方は加齢に伴って腸の働きが低下しやすいといった特徴があり、女性は月経などで鉄分が失われやすいため、さらに貧血が重なりやすいです。
男性でも過度なダイエットや極端なトレーニングを行うと、腸内環境が乱れて下痢が続き、結果的に鉄不足を起こすことがあります。
放置によるリスク
原因を特定しないまま放置すると、慢性的な腸の炎症や大腸ポリープ、大腸がんのような重大疾患が隠れている場合も見逃すかもしれません。下痢と貧血が重なったときは身体のSOSであると捉えて、早めの受診を考えることが重要です。
下痢と貧血の発生要因
原因の分類 | 主な例 | 想定される症状 |
---|---|---|
腸の炎症性疾患 | 潰瘍性大腸炎、クローン病 | 血便、腹痛、下痢、体重減少、倦怠感など |
栄養吸収障害 | セリアック病など | 慢性下痢、体重減少、貧血、骨密度低下など |
感染症 | 細菌性・ウイルス性腸炎 | 発熱、激しい下痢、脱水症状など |
腫瘍性疾患 | 大腸ポリープ、大腸がん | 血便、下痢または便秘、体重減少など |
生活習慣の乱れ | 不規則な食習慣、過度な飲酒 | 腹部不快感、頻回の下痢、栄養不足、疲労感など |
体内のメカニズムと下痢・貧血の関連
下痢と貧血が同時に見られるときは、単に鉄分が不足しているだけではなく、消化管における栄養吸収機能が低下している可能性があります。
腸内環境の乱れと血液の状態は密接につながっているため、全身の健康を支える意味でも腸の働きに注目することが重要です。
栄養吸収と血液への影響
下痢が頻発すると、腸粘膜での吸収時間が短くなり、鉄やたんぱく質、ビタミンB群など赤血球の生成に不可欠な栄養素が不足しやすくなり、これは貧血を引き起こす一因です。
また、腸粘膜が傷んでいる場合は十分に栄養が取り込めず、疲労回復が遅れ、体力が落ちやすくなります。こうした悪循環を断つためにも、腸内環境の改善と同時に、血液検査で現在の状態を把握することが大切です。
腸内環境の乱れが及ぼす問題
腸内細菌のバランスは、免疫機能や栄養状態に大きく関わります。善玉菌が減少し、悪玉菌が増えると腸壁が炎症を起こしやすくなり、下痢が起きるだけでなく、粘膜からの微量の出血や蛋白漏出も起こり、貧血を加速させる場合があります。
微量元素や鉄分の不足に注目
鉄は赤血球に含まれるヘモグロビンの構成要素です。慢性的な下痢で鉄の摂取が不足すると、貧血のリスクが上がり、亜鉛や銅などのミネラルも吸収不足が続くと、身体のさまざまな代謝機能に影響し、回復力の低下を招きます。
食事だけでは十分に補えないときは、必要に応じて医師の指導のもとでサプリメントの使用を検討することもあります。
免疫力低下との関係
下痢と貧血の双方が続くと免疫が弱まります。体内を守る白血球や免疫細胞は、十分な栄養を土台に作られるため、栄養不足は感染症にかかりやすくなる一因です。
感染症にかかった結果として下痢を起こし、さらに貧血が悪化する、といった連鎖を断つことが予防策としても大切になります。
腸内環境を整える食品
食品カテゴリ | 主な食品例 | 期待できるメリット |
---|---|---|
発酵食品 | ヨーグルト、納豆、漬物、味噌 | 善玉菌の摂取、消化吸収のサポート |
食物繊維が豊富な食品 | 玄米、オートミール、根菜類 | 腸内細菌の餌となり腸内環境を維持 |
良質なたんぱく源 | 豆類、卵、魚、鶏肉 | 体力の回復、血液や筋肉の生成促進 |
鉄分が多い食品 | レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき | ヘモグロビン合成のサポート |
ビタミンCが豊富な食品 | 柑橘類、イチゴ、赤ピーマン | 鉄分吸収の助け、抗酸化作用 |
病院で考えられる診察と検査の流れ
下痢と貧血を併発している場合、病院やクリニックでは原因を探るためにさまざまな検査を行う可能性があります。
問診を通して生活習慣や既往歴を確認し、血液検査や便潜血検査などを組み合わせ、必要に応じて内視鏡検査(大腸カメラや胃カメラ)へと進む流れが一般的です。
問診と視診で確認される点
医師は下痢の頻度や色、性状を詳細に聞き取り、加えて、貧血の程度を推し量るために顔色や結膜の状態をチェックし、体重の変化、食欲の有無、過去の病歴なども把握して、内視鏡検査が必要かどうかの目安を立てます。
血液検査とその他の検査方法
血液検査ではヘモグロビン値やヘマトクリット値などの数値を測定し、さらに鉄やフェリチン、ビタミンB12、葉酸などの栄養状態を確認することで、貧血のタイプを絞り込みます。
また便に血が混じっていないかを調べる便潜血検査や、便中の細菌・ウイルスを調べる検査も行われることがあります。
大腸カメラや胃カメラが必要とされるケース
血便が疑われる場合や、原因不明の下痢が長期間続く場合、そして明らかに貧血が進行している場合は大腸カメラや胃カメラで詳細を確認することが有用です。
大腸カメラ検査では大腸ポリープや大腸がん、炎症性疾患の状態を詳しく観察でき、胃カメラ検査では胃潰瘍やピロリ菌感染の有無を確認できます。
内視鏡検査のメリットとデメリット
直接的に粘膜を見ながら異常を特定できる内視鏡検査ですが、下剤の服用や検査前の準備に時間と手間がかかり、また検査中の不快感を強く感じる人もいます。
一方で、ポリープを発見してそのまま切除できる場合や、ピロリ菌感染を見つけて除菌治療につなげられるということが利点です。
下痢と貧血があるときに考える検査
段階 | 主な内容 | 補足 |
---|---|---|
1.問診 | 下痢の症状・貧血の症状・生活習慣のヒアリング | 頻度・継続期間・既往歴などを詳しく共有 |
2.血液検査 | ヘモグロビン、フェリチン、CRPなどをチェック | 貧血の種類や炎症度合いを推測しやすい |
3.画像検査 | 腹部エコーなどで内臓の状態を簡易的に確認 | 場合によってはCT検査などを考慮 |
4.内視鏡検査 | 大腸カメラや胃カメラで粘膜を直接観察 | ポリープや潰瘍があれば同時に対応するケースもある |
5.診断と治療 | 検査結果を総合的に判断し、投薬や手術などを検討 | 生活習慣指導や食事指導も併行して行う |
大腸カメラや胃カメラによる詳しい検査
下痢と貧血を併発しているとき、医師が必要だと判断すれば大腸カメラや胃カメラによる内視鏡検査を提案します。粘膜の状態をダイレクトに確認し、組織を採取して詳しく調べるメリットがあります。
実施タイミングの判断基準
- 便に血液が混じる、または黒色便が続く
- 体重減少や食欲不振が目立つ
- 明らかに貧血の数値が低下している
- 腹痛や胸やけ、吐き気などの症状がある
こうした症状が長期にわたって続く場合、早めの内視鏡検査を考えると原因を特定しやすいです。
大腸カメラ検査の具体的な流れ
検査当日は腸内を空にするための下剤を飲み、大腸内部の洗浄を行い、検査室では肛門から内視鏡を挿入し、大腸内をくまなく観察します。
医師はモニターを見ながらポリープや炎症部位を探し、必要に応じて組織を採取し、痛みや違和感を減らすために鎮静剤を利用できる施設もあります。
胃カメラ検査の基本的な手順
検査日前日は消化のよい食事を控え、検査当日は絶食とすることが一般的です。検査時に口または鼻から内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸の粘膜を観察します。
胃カメラのほうが大腸カメラより短時間で済むことが多く、喉の麻酔や鎮静剤を使用することで苦痛を軽減する方法も選択できます。
組織検査の重要性
疑わしい部位が見つかった場合、検査中に小さな組織片を採取し、組織検査は病理医が詳細に分析し、がん細胞の有無や炎症の度合いを評価するために欠かせません。
大腸がんや胃がんは早期に発見して治療すれば予後が良好になる場合が多いため、内視鏡検査での早期発見は重要です。
大腸カメラと胃カメラの所要時間と特徴
検査種類 | 所要時間の目安 | 対象とする部位 | 特徴 |
---|---|---|---|
大腸カメラ | 約30~60分程度 | 結腸・直腸 | ポリープ切除などの処置を同時に行うことが多い |
胃カメラ | 約10~20分程度 | 食道・胃・十二指腸 | ピロリ菌の有無を確認できる場合がある |
目安の時間は検査状況や個人差によって変わり、医療機関によっては検査後に安静室で休む時間を考慮し、トータルで2~3時間ほどかかります。
代表的な疾患と治療方針
下痢と貧血を併発したときに疑われる代表的な疾患には、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患のほか、大腸がんやピロリ菌感染症などがあります。正確な診断が下されれば、投薬や生活習慣の見直しなど多角的な治療が必要です。
潰瘍性大腸炎やクローン病への対応
これらの炎症性腸疾患は下痢を起こしやすく、粘膜の出血で貧血が進行することがあり、症状を抑える薬物療法と、再燃を防ぐための日常生活の管理が重要です。
食事は低脂肪・低残渣のものが推奨されることが多く、医師や栄養士と相談しながらメニューを工夫する必要があります。
そけいヘルニアや大腸がんの可能性
そけいヘルニアは直接的には下痢を起こさないこともありますが、腸管の状態によっては便通の乱れが生じ、貧血に注意が必要なケースもあります。
大腸がんは初期症状がわかりにくいですが、下痢や便秘の繰り返し、便潜血検査陽性などの兆候が出たときは早めの内視鏡検査が効果的です。
ピロリ菌や胃潰瘍との関連性
ピロリ菌が胃にすみついていると、慢性的な胃粘膜の炎症や胃潰瘍を起こすことがあります。
胃潰瘍の出血が慢性的に続けば貧血を招く可能性があるため、長引く下痢をきっかけに胃カメラ検査を受けた結果、ピロリ菌感染が判明するケースもあり、除菌治療で症状の改善を目指すことが多いです。
投薬や生活習慣の改善について
投薬の内容は原因によって異なり、炎症性腸疾患向けの抗炎症薬や免疫調整剤、大腸がんの場合は手術や化学療法を組み合わせます。また、鉄欠乏による貧血が確認されたら、鉄剤の服用や鉄分の豊富な食材の摂取を並行して行います。
さらにストレス管理や睡眠確保も腸と血液の状態を整えるうえで大切です。
下痢と貧血に対してよく用いられる治療
治療法 | 対象疾患 | 主な目的 |
---|---|---|
抗炎症薬・免疫調整剤 | 潰瘍性大腸炎、クローン病 | 腸粘膜の炎症を抑える、免疫を調整する |
鉄剤投与 | 鉄欠乏性貧血 | ヘモグロビン値の改善 |
抗菌薬(除菌治療) | ピロリ菌感染 | 胃潰瘍の治癒促進、再発予防 |
外科的切除 | 大腸がん、大きな大腸ポリープ | 病変部位の切除、がんの進行抑制 |
生活習慣改善 | さまざまな疾患に共通 | 腸内環境や全身の代謝・免疫を良好に保つ |
複数の原因が絡んでいることもあるため、自己流の治療で済ませるのではなく、包括的なアプローチが望ましいです。
食生活や生活習慣の工夫
下痢と貧血がある方は、食生活と生活習慣の見直しが欠かせません。体の修復に必要な栄養素をきちんと摂るだけでなく、腸への負担を軽減しながら血液を増やす取り組みが重要です。
鉄分やたんぱく質を意識した食事
レバーや赤身肉、魚、豆類など、鉄分とたんぱく質を豊富に含む食材をこまめに摂る方法がおすすめです。
ただし下痢がひどい場合は脂肪が多い食べ物や刺激物を避け、消化の良い調理法を選んで少量ずつ複数回に分けて食べると体への負担を減らせます。
- レバーや赤身肉は、ビタミンCを含む食材(柑橘類など)と一緒に食べると鉄分吸収が高まりやすい
- 魚や鶏肉も消化に比較的優しく、たんぱく質を補給しやすい
- 豆乳や豆腐など、大豆製品を取り入れることで良質なたんぱく質とミネラルを摂取できる
腸内環境を整えるためのポイント
腸内細菌のバランスを考慮して、発酵食品や食物繊維をバランスよく摂る工夫が大切で、水溶性食物繊維が豊富な食材は腸にかかる負担を軽減し、便性状を良好に保つことにも役立ちます。
暴飲暴食や刺激物の過剰摂取は腸粘膜を荒らす原因になるため、適度に控えることを心がけましょう。
食物繊維と下痢・貧血の関係
食物繊維の種類 | 主な食品例 | 下痢・貧血への影響 |
---|---|---|
水溶性食物繊維 | りんご、バナナ、海藻、オートミール | 便をやわらかくしつつ、腸内環境を整え、栄養吸収の補助に |
不溶性食物繊維 | きのこ類、豆類、玄米、根菜類 | 腸のぜん動運動を促進して排便リズムを安定させる |
食物繊維は一気に多量を摂ると腸への刺激が大きくなることがあるので、下痢と貧血が同時にある方は、少しずつ増やして自分の体に合った量を探すことが大切です。
水分補給と運動のバランス
下痢があると水分と電解質が失われやすいため、こまめな水分補給が不可欠で、スポーツドリンクや経口補水液などで電解質も同時に補給すると、脱水状態を防ぎやすくいです。
運動は血行を良くして腸の動きを活発にする利点がありますが、体調がすぐれないときは無理をせず、ウォーキング程度から始めましょう。
ストレス管理がもたらす効果
ストレスは腸内環境と密接に関わり、過度な緊張や不安を抱えると下痢や便秘が起きやすくなり、心身の安定を図るためにも、趣味や適度な運動、十分な睡眠によるストレス解消が必要です。
貧血が進行すると疲れやすくなるため、無理な夜更かしや激しい運動は避け、休息を優先させると回復が早まる場合があります。
大腸カメラや胃カメラの費用や保険適用
下痢と貧血に対して内視鏡検査を受けるとなると、費用や保険適用の範囲が気になる方も多いです。保険診療の対象になれば自己負担額が抑えられますが、自由診療の場合は検査費用が高額になることがあります。
保険診療と自由診療の違い
一般的に、医師が必要と判断した大腸カメラや胃カメラ検査は保険診療の対象に含まれますが、人間ドックやがん検診コースなど、健康チェックを目的とした検査は自由診療として扱われることが多々あります。
保険診療では病気の治療を目的とするため、具体的な症状や必要性が示されれば保険の適用対象です。
病院ごとの価格差
同じ保険診療でも、検査前に行う診察料や使用する鎮静剤の種類によって費用が変わることがあり、自由診療の場合は、医療機関独自の料金設定になるため、総額に大きな差が出る場合もあります。
複数の医療機関で説明を聞くと、費用だけでなく検査設備や医師の専門分野なども比較できて安心です。
検査前後の費用目安
大腸カメラや胃カメラ検査の自己負担額は、保険診療であれば3割負担が多く、胃カメラのみなら数千円~1万円程度、大腸カメラではポリープ切除などの処置が加わると数万円です。
自由診療だと、検査のみで2~3万円程度から、それ以上かかるケースも考えられます。
大腸カメラ・胃カメラにかかる費用(保険診療3割負担)
検査内容 | 目安費用 | 主な内訳 |
---|---|---|
胃カメラのみ | 約3,000~8,000円程度 | 検査、診察、消耗品など |
大腸カメラのみ | 約5,000~12,000円程度 | 検査、診察、前処置用の下剤など |
大腸カメラ+ポリープ切除 | 約15,000円以上 | 手術や組織検査、処置費用など |
地域や医療機関によってはこれより高くなる場合もあるため、事前に問い合わせてください。
よくある質問
下痢と貧血が同時に出現している方の疑問点をいくつかまとめます。症状を軽視せず、早めに対応することが症状の改善につながります。
- 下痢が続くときの受診タイミングは?
-
2週間以上下痢が続く場合は一度医療機関を受診すると安心で、とくに発熱や血便、脱水症状がある場合は早急な検査が望まれます。
軽度の下痢でも倦怠感が強く、貧血のような症状が見られたときは早期に相談して原因を見極めるほうが安全です。
- 貧血が進行しているかどうか見極める方法は?
-
一般的には血液検査でヘモグロビン値を確認し、口唇や爪床の色、結膜の白さなどもセルフチェックの目安になりますが、確かな判断は医療機関での検査が必要です。
下痢が長引いていると自覚症状がなくても鉄不足が進んでいる可能性があるため、早めの血液検査がおすすめです。
- 大腸カメラや胃カメラはどのように選ぶ?
-
貧血の程度や下痢の特徴、上腹部痛や胸やけの有無などを総合的に考えて医師が判断し、大腸に異常が疑われるなら大腸カメラ、胃や十二指腸に問題がありそうなら胃カメラが向いています。
消化管全体をチェックするために両方を実施する場合もあります。
- 内視鏡検査の準備や注意点は?
-
大腸カメラの場合は、検査前日から特別な下剤を飲んで腸内を清潔にしておく準備が必要で、胃カメラの場合は、検査当日朝の絶食が基本です。
いずれも検査後に鎮静剤の影響が残る可能性があるので、車の運転や激しい運動は控えるなどの注意が求められます。
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