「お腹がパンパンに張って苦しい」「吐き気が止まらず、何も食べられない」「丸一日、便もガスも出ていない」
こうした症状が続くと、「もしかして腸閉塞では?」と不安になる方は少なくありません。
腸閉塞(イレウス)は、腸の内容物が先に進めなくなる状態です。軽症であれば点滴と安静で改善することもありますが、重症化すると腸の血流が途絶え、緊急手術が必要になる場合もあります。だからこそ、「今日病院に行くべきかどうか」の判断がとても重要になります。
この記事では、今日受診すべき危険サイン、当日の検査の流れ、CTで何を確認するのか、そして入院や紹介が必要になるケースについて、一般的な情報をまとめました。
「病院に行くべきか迷っている」「どんな検査をされるのか不安」という方の判断材料になれば幸いです。なお、この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断を行うものではありません。症状がある場合は、必ず医師の診察を受けてください。
【この記事でわかること】
・腸閉塞を疑う危険サインと、救急車を呼ぶべきケース
・当日の評価フロー(問診→診察→検査の流れ)
・CTで確認すること、なぜCTが重要なのか
・入院・紹介が必要なケースの判断基準
・よくある質問への回答
腸閉塞とは?

腸閉塞とは、何らかの原因で腸の中の内容物(食べ物や消化液、ガスなど)が先に進めなくなった状態を指します。
私たちの腸は、口から入った食べ物を消化・吸収しながら、最終的に便として排出するまでの「一方通行の管」のような役割を担っています。この流れがどこかで止まってしまうのが腸閉塞です。
腸閉塞の2つのタイプ
腸閉塞は、原因によって大きく2つのタイプに分けられます。
① 機械的閉塞
腸が物理的にふさがれてしまうタイプです。代表的な原因には以下のようなものがあります。
- 癒着:過去の腹部手術によって腸同士がくっつき、腸管が折れ曲がったり狭くなったりする
- 腫瘍:大腸がんなどが腸の内側を狭くする
- ヘルニア:腸が本来の位置からはみ出し、締め付けられる
- 腸重積:腸の一部が隣の腸に入り込んでしまう
② 機能的閉塞(麻痺性イレウス)
腸自体には詰まりがないものの、腸の動き(蠕動運動)が止まってしまうタイプです。
- 腹部手術の後
- 腹膜炎(お腹の中の感染)
- 重度の電解質異常
- 一部の薬の副作用
- その他、重症疾患に伴うもの
なぜ腸閉塞は危険なのか
腸閉塞が怖いのは、放置すると以下のような合併症を起こす可能性があるからです。
- 脱水・電解質異常:嘔吐で水分や電解質が失われる
- 腸管の壊死:血流が途絶えると腸が壊死し、穿孔(穴が開く)のリスクがある
- 敗血症:腸内の細菌が血液中に入り込み、全身に感染が広がる
特に「絞扼性イレウス」と呼ばれる、腸の血流が途絶えた状態は緊急性が高く、早急な手術が必要になります。
腸閉塞の詳しいメカニズムや原因については別記事で解説していますので、ここでは「受診の判断」と「検査の流れ」に焦点を当てて説明します。
今日受診すべき危険サイン

「この症状、病院に行くべき?」と迷ったとき、判断の目安になるのが以下の危険サインです。
【危険サイン】今日受診を検討すべき症状
| 症状 | 具体的な状態 | 注意ポイント |
|---|---|---|
| 腹部膨満 | お腹がパンパンに張り、ガスも便も出ない | 張りが時間とともに強くなる場合は要注意 |
| 繰り返す嘔吐 | 吐いても吐いても楽にならない | 緑色(胆汁混じり)や茶色〜便臭のある嘔吐物は閉塞を示唆する所見の一つ |
| 強い腹痛 | 波のように強くなる痛み、または持続する激痛 | 痛みの場所が移動する場合もある |
| 排便・排ガスの停止 | 丸1日以上、便もガスも全く出ない | 「おならも出ない」は重要な情報 |
| 発熱 | 38℃以上の発熱を伴う | 感染や腸の炎症を示唆することがある |
【重要】
上記のうち複数が当てはまる場合、または痛みが非常に強い場合は、様子を見ずに医療機関を受診してください。
よくある相談パターン
実際の診療では、以下のような相談が多く寄せられます(個人が特定されないよう一般化しています)。
パターン①:術後数年経ってからの症状
「5年前に虫垂炎の手術をしました。昨日から急にお腹が張って、吐き気もあります。便は2日出ていません。様子を見ていいでしょうか?」
→ 腹部手術の既往がある方は、癒着による腸閉塞のリスクがあります。症状が出てから24時間以上経過し、改善傾向がない場合は受診をおすすめします。
パターン②:便秘との区別がつかない
「もともと便秘気味なのですが、今回はいつもと違う感じがします。お腹の張りが強く、おならも出ません。」
→ 普段の便秘と異なり「ガスも出ない」場合は、腸閉塞の可能性があります。腹痛や嘔吐を伴う場合は早めに受診してください。
救急車を呼ぶべきケース
以下の場合は、迷わず119番を検討してください。これらは「ショック状態」や「絞扼性イレウス」を示唆するサインです。
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い
- 顔色が真っ青(蒼白)、唇の色が悪い
- 冷や汗が止まらない、手足が冷たい
- 痛みで動けない、うずくまったまま動けない
- 吐血や血便がある
「様子を見てもよい」目安
一方で、以下のような場合は少し様子を見ても問題ないことが多いです。
- 軽い張り感はあるが、ガスや便は出ている
- 吐き気はあるが、実際には嘔吐していない
- 食欲低下程度で、水分は問題なく摂れている
- 痛みはあるが、日常動作は普通にできる
ただし、これらの症状でも悪化傾向にある場合(時間が経つほど症状が強くなる場合)は、早めの受診が安心です。「昨日より明らかに悪い」と感じたら、医療機関に相談してください。
当日の評価フロー(問診→診察→検査)
腸閉塞が疑われて受診した場合、一般的には以下のような流れで評価が進みます。何をされるか事前に知っておくと、不安も軽減されるかもしれません。
STEP 1:問診(約5〜10分)
まず、症状の経過を詳しく確認します。医師や看護師から聞かれることが多い内容は以下のとおりです。
症状について
- いつから症状が始まったか
- 最後に便が出たのはいつか、ガスは出ているか
- 嘔吐の回数、嘔吐物の色や内容
- 痛みの場所、性質(波がある痛みか、持続する痛みか)
- 食事は摂れているか、水分は飲めているか
既往歴について
- 過去に腹部の手術を受けたことがあるか(虫垂炎、帝王切開、婦人科手術なども含む)
- 過去に腸閉塞になったことがあるか
- 大腸がんや婦人科がんの既往はあるか
- ヘルニア(脱腸)と言われたことはあるか
【ポイント】
腹部手術の既往がある方は、癒着による腸閉塞のリスクが高まります。「何年も前の手術だから関係ない」と思わず、手術歴は必ず伝えてください。帝王切開も含みます。
STEP 2:診察(約5〜10分)
腹部の視診・触診・聴診を行います。
視診(見る)
- お腹の張り具合、左右差
- 手術痕の有無(癒着の原因になりうる)
- ヘルニアの膨らみがないか
触診(触る)
- 圧痛(押すと痛い場所)の確認
- 腹膜刺激症状の有無:押して離したときに痛む「反跳痛」や、お腹が板のように硬くなる「筋性防御」は、腹膜炎を示唆する危険なサイン
- ヘルニア門(ヘルニアの出口)の確認
聴診(聴く)
- 腸の動きの音(腸蠕動音)を確認
- 機械的閉塞では「金属音」と呼ばれる高い音が聞こえることがある
- 麻痺性イレウスでは腸の音が弱くなる、または聞こえなくなることがある
※ただし、聴診だけで診断を確定することは困難です。他の所見と合わせて総合的に判断します。
STEP 3:検査
診察の結果、腸閉塞が疑われる場合は画像検査と血液検査に進みます。
| 検査 | 所要時間 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 採血後30分〜1時間で結果 | 脱水・電解質異常・炎症の程度を確認 |
| 腹部X線 | 数分 | 腸管ガスの分布、ニボー像(鏡面像)の確認 |
| 腹部CT | 10〜15分 | 閉塞部位・原因・重症度の評価(最も情報量が多い) |
なぜ血液検査が必要か
腸閉塞では嘔吐による脱水や電解質異常(ナトリウム、カリウムなど)が起こりやすく、これが重症度の指標になります。また、白血球やCRP(炎症反応)の上昇は、腸の炎症や感染を示唆します。
腹部X線で何がわかるか
腸閉塞では、閉塞より口側(上流)の腸管にガスと液体が溜まります。立位や側臥位(横向き)で撮影すると、ガスと液体が層になった「ニボー像(鏡面像)」が見えることがあり、これは腸閉塞を示唆する所見です。
ただし、X線だけでは閉塞の原因や重症度の判断が難しいため、多くの場合はCT検査に進みます。
よくある相談パターン
パターン③:検査への不安
「CT検査は初めてで不安です。痛いですか?造影剤は使いますか?」
→ CT検査自体に痛みはありません。ドーナツ型の機械の中で横になり、数分間じっとしているだけです。腸閉塞の評価では造影剤を使用することが多いですが、注射時に一時的な熱感を感じたり、口の中に金属のような味を感じたりすることがあります。通常はすぐに治まります。腎機能に問題がある方やアレルギー歴がある方は、事前にお伝えください。
CTで確認すること

腸閉塞の評価において、CT検査は非常に重要な役割を担います。「なぜCTを撮るのか」「何を見ているのか」を知っておくと、検査への理解が深まります。
CTで評価する5つのポイント
| 評価項目 | 確認内容 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 閉塞の有無 | 腸管の拡張とその境界(急に細くなる部位=閉塞点) | 本当に閉塞があるのか確定する |
| 閉塞の部位 | 小腸か大腸か、どの高さで詰まっているか | 治療方針が異なる |
| 閉塞の原因 | 癒着、腫瘍、ヘルニア、腸重積など | 手術が必要かどうかに影響 |
| 腸管壁の状態 | 血流障害(絞扼)の有無、壁の浮腫や造影効果 | 緊急性の判断に直結 |
| 腹水の有無 | お腹の中に液体が溜まっていないか | 重症度の指標 |
最も重要:絞扼性イレウスの評価
CTで最も重要なのは、絞扼性イレウス(腸の血流が途絶えている状態)かどうかの判断です。
絞扼性イレウスを示唆するCT所見には以下のようなものがあります。
- 腸管壁の造影効果の低下(血流が悪い)
- 腸間膜の浮腫や出血
- 腸管壁の肥厚
- 閉塞ループ(closed loop)の形成
- 腹水の貯留
【重要】
絞扼性イレウスは、腸が壊死(えし:組織が死んでしまうこと)に至る前に手術で血流を回復させる必要があり、緊急手術の適応となります。CTでの早期発見が、予後を左右することがあります。
なぜCTが優先されるのか
腹部X線でも「ニボー像」は確認できますが、以下の点でCTが優れています。
| 比較項目 | 腹部X線 | 腹部CT |
|---|---|---|
| 閉塞の有無 | ある程度わかる | 詳しくわかる |
| 閉塞の部位 | おおまかにわかる | 正確にわかる |
| 閉塞の原因 | わからないことが多い | 多くの場合特定できる |
| 絞扼の有無 | 判断困難 | 評価可能 |
| 検査時間 | 数分 | 10〜15分 |
このため、腸閉塞が疑われる場合、最初からCTを撮影することが一般的になっています。造影剤を使用することで、血流の状態もより詳しく評価できます。
小腸閉塞と大腸閉塞の違い
CTでは、閉塞が小腸で起きているのか大腸で起きているのかも判断できます。これは治療方針に影響します。
小腸閉塞
- 癒着が原因のことが多い
- 多くは保存的治療(絶食・点滴)で改善する可能性がある
- 絞扼がなければ、まずは様子を見ることも
大腸閉塞
- 大腸がんが原因のことがある(他に腸捻転などの原因も)
- 閉塞が完全な場合、内視鏡的処置や手術が必要になることが多い
- 原因検索のため、後日大腸内視鏡検査が必要になることも
入院・紹介が必要なケース
腸閉塞と診断された場合、すべてが入院になるわけではありません。重症度や原因、全身状態によって対応が異なります。ただし、腸閉塞は原則として救急性が高い疾患であり、まずは医療機関での評価が必要です。
入院が必要になりやすいケース
以下のような場合は、入院での治療が必要になることが多いです。
緊急性が高いケース
- 絞扼性イレウスが疑われる → 緊急手術の可能性
- 腹膜刺激症状(反跳痛、筋性防御)がある → 腹膜炎の可能性
- バイタルサイン(血圧、脈拍など)が不安定
全身管理が必要なケース
- 嘔吐が激しく、経口摂取が全くできない
- 脱水・電解質異常が高度で、点滴による補正が必要
- 発熱や炎症反応(白血球、CRP)の上昇が著しい
特殊な処置が必要なケース
- イレウス管(鼻から腸まで入れる長い管)の挿入が必要
- 大腸閉塞で、内視鏡的ステント留置や減圧が必要
医療機関での評価後、外来で経過観察となる場合
医療機関で検査・診察を受けた結果、以下のような条件を満たす場合は、医師の判断で外来での経過観察となることもあります。
- 軽度の不完全閉塞(部分的に通過がある)と診断された
- 水分摂取が可能で、全身状態が安定していると評価された
- 癒着性イレウスで、過去に保存的治療で改善した経験があり、今回も同様と判断された
【重要】
外来経過観察は、必ず医療機関での評価を受けた上で、医師が判断するものです。自己判断で「軽そうだから様子を見よう」とするのは危険です。腸閉塞が疑われる症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。
外来経過観察となった場合も、症状悪化時にはすぐに受診できる体制が必要です。「悪化したらすぐ来てください」という指示のもと、慎重に経過を見ることになります。
紹介・搬送の判断
クリニックや一般内科で腸閉塞の診断がついた場合、以下のようなケースでは連携する病院への紹介となります。
- 手術が必要な可能性があるケース
- 入院管理が必要なケース
- イレウス管の挿入など、専門的処置が必要なケース
- 大腸閉塞で、原因検索(大腸内視鏡など)が必要なケース
受診前に知っておきたいこと・準備しておくこと
「腸閉塞かもしれない」と思ったとき、受診前に準備しておくと診察がスムーズに進むことがあります。また、検査や治療の流れを知っておくと、不安も軽減されるかもしれません。
受診時に伝えるべき情報(メモしておくと便利)
医師に正確な情報を伝えることで、診断の精度が上がります。以下の内容を事前にメモしておくとスムーズです。
| 項目 | 具体的に伝えること |
|---|---|
| 症状の経過 | いつから症状が始まったか、最初の症状は何だったか |
| 排便・排ガス | 最後に便が出たのはいつか、ガス(おなら)は出ているか |
| 嘔吐の状況 | 嘔吐の回数、嘔吐物の色(緑・茶色など)や臭い |
| 痛みの特徴 | 痛みの場所、波があるか持続するか、痛みの強さ(10段階で) |
| 食事・水分 | 最後に食事をしたのはいつか、水分は摂れているか |
| 手術歴 | 過去の腹部手術(虫垂炎、帝王切開、婦人科手術など)の有無と時期 |
| 既往歴・内服薬 | 持病、現在飲んでいる薬、アレルギーの有無 |
【ポイント】
「何年も前の手術だから関係ないだろう」と思わず、腹部の手術歴はすべて伝えてください。癒着性腸閉塞は、手術から10年以上経っても起こり得ます。
受診時の持ち物チェックリスト
急な受診でも、以下のものがあると安心です。
- マイナンバーカード・保険証・診察券(お持ちの場合)
- お薬手帳(または現在飲んでいる薬の名前がわかるもの)
- 紹介状(他院からの場合)
- 症状メモ(上記の情報を書いたもの)
- 着替え・タオル(入院になる可能性を考慮)
- スマートフォンの充電器(入院時に必要になることも)
受診前の注意点
腸閉塞が疑われる場合、受診前に以下の点に注意してください。
食事・水分について
- 嘔吐がある場合は、無理に食べない・飲まない方が安全です
- 少量の水分(一口ずつ)を摂る程度にとどめてください
- 「絶食してきてください」と指示されることもあります
移動について
- 痛みが強い場合は、自分で運転しないでください
- 家族や知人に送ってもらうか、タクシーを利用してください
- 意識がもうろうとしている場合は救急車(119番)を検討してください
服装について
- お腹を診察しやすい、ゆったりした服装がおすすめです
- CT検査では金属を外す必要があるため、アクセサリーは最小限に
検査・治療で想定されること
受診後、以下のような流れになることが多いです。事前に知っておくと心構えができます。
| 段階 | 内容 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 問診・診察 | 症状の確認、腹部の診察 | 15〜30分 |
| 血液検査 | 採血→結果待ち | 30分〜1時間 |
| 画像検査 | X線、CT(造影剤を使う場合も) | 30分〜1時間 |
| 結果説明 | 診断と治療方針の説明 | 15〜30分 |
検査の結果によっては…
- 軽症の場合:点滴を受けて帰宅、翌日再診
- 入院が必要な場合:そのまま入院手続き
- 紹介が必要な場合:連携病院への搬送・紹介
不安なときは、まず相談を
「腸閉塞かどうかわからないけど、なんだか心配」という段階でも、医療機関に相談して構いません。
- 症状が軽くても、悪化傾向があれば早めの受診が安心です
- 「こんなことで受診していいのかな」と思う必要はありません
- 検査を受けて「問題なし」とわかれば、それだけで安心につながります
まとめ
腸閉塞は、早期発見と適切な対応が重要な疾患です。
受診を検討すべき危険サイン
- 腹部がパンパンに張り、ガスも便も出ない
- 繰り返す嘔吐(緑色や茶色〜便臭のある嘔吐物は閉塞を示唆)
- 強い腹痛が続く、または波のように襲ってくる
- 発熱を伴う
これらの症状がある場合は、当日中の受診を検討してください。
当日の検査の流れ
- 問診:症状の経過、手術歴などを確認
- 診察:腹部の視診・触診・聴診
- 検査:血液検査、腹部X線、腹部CT
特にCT検査は、閉塞の部位・原因・重症度を評価するために重要です。
入院・紹介が必要なケース
- 絞扼性イレウス(血流障害)が疑われる場合
- 全身状態が不安定な場合
- 手術や専門的処置が必要な場合
腸閉塞は原則として救急性が高い疾患です。 軽症と判断されて外来経過観察となる場合も、医療機関での評価を受けた上での判断です。自己判断での様子見は危険ですので、症状がある場合はまず受診してください。
金沢消化器内科・内視鏡クリニックでは、野々市中央院・金沢駅前院ともにCT検査に対応しており、腸閉塞が疑われる場合の当日評価が可能です。金沢・野々市・白山市エリアで症状が気になる方は、お気軽にご相談ください。
▶ [当院のCT検査の詳細はこちら]
- 腸閉塞を疑ったら何科を受診すればいいですか?
-
消化器内科または消化器外科の受診が適切です。急な症状の場合は、救急対応が可能な医療機関を選ぶと、当日中に検査を受けられる可能性が高まります。かかりつけ医がいる場合は、まず相談するのもよいでしょう。
- 腸閉塞と便秘の違いは何ですか?
-
便秘は便が出にくい状態ですが、ガスは出ることが多いです。腸閉塞では便もガスも出なくなり、腹部膨満や嘔吐を伴うことが特徴です。「おならも出ない」場合は腸閉塞の可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
- 腸閉塞の前兆はありますか?
-
食後の腹痛や膨満感が繰り返される、便通が不規則になるなどが前兆となることがあります。特に腹部手術歴がある方は、こうした症状に注意が必要です。症状が続く場合は医師にご相談ください。
- 腸閉塞は再発しますか?
-
癒着が原因の場合、再発することがあります。確立された予防法はありませんが、食事の工夫や便秘予防などが一般的に勧められます。詳しくは担当医にご相談ください。
- CTを撮らずに腸閉塞と診断されることはありますか?
-
症状と診察所見、腹部X線から腸閉塞が強く疑われる場合もありますが、原因や重症度の評価にはCTが有用です。治療方針を決めるためにCTが行われるのが一般的です。
- 腸閉塞で食事はどうなりますか?
-
腸閉塞の治療中は、腸を休めるために絶食となることが多いです。改善後は、流動食から徐々に通常食に戻していきます。自己判断での食事再開は避け、医師の指示に従ってください。
- 腸閉塞の治療費はどのくらいかかりますか?
-
保険診療の範囲内で行われます。検査内容や入院の有無、手術の有無によって大きく異なるため、具体的な費用は受診時に医療機関にお問い合わせください。高額療養費制度の対象となる場合もあります。
- 腸閉塞で手術になる確率はどのくらいですか?
-
原因や重症度によって異なります。癒着性の小腸閉塞では多くが保存的治療で改善しますが、絞扼性イレウスや大腸がんによる閉塞では手術が必要になることが多いです。個別の判断は担当医にご確認ください。
参考文献
- 急性腹症診療ガイドライン2025 第2版
急性腹症診療ガイドライン2025 改訂出版委員会(編)
医学書院, 2025年(A4判・200頁)
ISBN:978-4-260-05773-8 - Bologna guidelines for diagnosis and management of adhesive small bowel obstruction (ASBO): 2017 update…
Ten Broek RPG, Krielen P, Di Saverio S, et al.
World Journal of Emergency Surgery. 2018;13:24.
DOI:10.1186/s13017-018-0185-2 - ACR Appropriateness Criteria® Suspected Small-Bowel Obstruction
Expert Panel on Gastrointestinal Imaging; Chang KJ, Marin D, Kim DH, et al.
Journal of the American College of Radiology. 2020;17(5S):S305–S314.
DOI:10.1016/j.jacr.2020.01.025 - ACR Appropriateness Criteria® “Suspected Small-Bowel Obstruction”(Web版)
American College of Radiology. ACR Appropriateness Criteria.
(閲覧日:2025年12月29日) - Multisection spiral CT in the diagnosis of adhesive small bowel obstruction: the value of CT signs in strangulation
Liu W, et al.
Clinical Radiology. 2021;76(1):75.e5–75.e11.
DOI:10.1016/j.crad.2020.06.032 - Predicting Intestinal Ischaemia in Patients with Adhesive Small Bowel Obstruction: A Simple Score
Bouassida M, Laamiri G, Zribi S, et al.
World Journal of Surgery. 2020;44(5):1444–1449.
DOI:10.1007/s00268-020-05377-6 - Prediction model for irreversible intestinal ischemia in strangulated bowel obstruction
Kobayashi T, Chiba N, Koganezawa I, et al.
BMC Surgery. 2022;22(1):321.
DOI:10.1186/s12893-022-01769-8 - Self-expandable metal stents for obstructing colonic and extracolonic cancer: ESGE Guideline – Update 2020
van Hooft JE, Veld JV, Arnold D, et al.
Endoscopy. 2020;52:389–407.
DOI:10.1055/a-1140-3017 - 大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024年版
大腸癌研究会(編)
金原出版, 2024年(発行日:2024/07/20)
ISBN:978-4-307-20482-8

