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「要精査」次に何をする?検査・持参物・受診先を専門医が解説

「要精査」次に何をする?検査・持参物・受診先を専門医が解説

「検診で『要精査』と書かれていたけど、どこに行けばいいのだろう」 「精密検査って具体的に何をするの?痛くないのかな」 「忙しくて後回しにしているけど、本当に大丈夫だろうか」
健診結果を手にして、こうした不安や疑問を感じている方は少なくありません。

毎年の健康診断や人間ドック、自治体のがん検診などで「要精査」「要精密検査」「D判定」といった結果が出ると、誰しも心配になるものです。しかし、結果票を見ただけでは、次に何をすべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、検診で要精査と判定された方が、次に何をすべきかを一つひとつ整理してお伝えします。具体的には、検診結果の読み方、受診の目安(緊急性の見分け方)、精査を受ける際の持参物、検査の選び方、そして指摘内容(胸部X線異常影・尿潜血・腹部エコー所見など)ごとの対応について、消化器専門医の立場から丁寧に解説していきます。

【重要】 「要精査」は、「何か病気がある」という確定診断ではありません。検診は「念のため詳しく調べましょう」という段階で引っかかる仕組みになっています。実際に精密検査を受けた結果、「異常なし」または「経過観察で問題なし」と判断されるケースは決して少なくありません。まずは落ち着いて、この記事を参考に次の一手を整理していただければ幸いです。

目次

「要精査」と言われたら──まず結果票を確認する

健診や検診で「要精査」「要精密検査」「D判定」などと記載された場合、最初にすべきことは結果票をしっかり読み込むことです。結果票には、どの検査項目で異常が指摘されたのか、どのような所見だったのかが記載されています。

よくある記載例と意味

健診結果票には、検査項目ごとに判定が記されています。たとえば以下のような記載が見られます。

  • 「胸部X線:異常影あり(要精査)」 →レントゲン写真に気になる影が見つかったため、CTなどで詳しく調べる必要があるという意味です。
  • 「尿潜血:陽性(+)(要精密検査)」 →尿に血液成分が混じっている可能性があり、原因を調べる必要があるという意味です。
  • 「腹部超音波:肝臓に腫瘤影疑い(要精査)」 →肝臓に何らかの「かたまり」のようなものが見えたため、それが何なのかを精密検査で確認する必要があるという意味です。

これらはいずれも「何か気になる所見があるので、詳しく調べましょう」というメッセージです。この段階では、まだ「病気がある」とは確定していません。

判定区分の読み方

多くの健診機関では、以下のような判定区分を使用しています(機関によって表記は異なります)。

判定意味
A異常なし
B軽度異常あるが心配なし
C経過観察(生活習慣の改善や定期的な検査を推奨)
D要精密検査(医療機関で詳しい検査が必要)
E治療中(すでに治療を受けている項目)

「D判定」や「要精査」と書かれている項目があれば、その項目について医療機関で精密検査を受けることが推奨されています。

結果票を捨てないで

結果票は、精密検査を受ける際に非常に重要な情報源となります。どの項目で引っかかったのか、数値はどれくらいだったのか、画像所見は何と書かれていたのか──これらの情報があることで、精密検査を担当する医師が適切な検査計画を立てやすくなります。

結果票を紛失してしまった場合は、健診を受けた機関に問い合わせれば再発行してもらえることが多いので、確認してみてください(有料の場合もあります)。

よくあるご相談パターン① 「毎年検診を受けているのに、今年だけ『要精査』と言われました。去年は何もなかったのに、急に悪くなったのでしょうか?」

→必ずしも「急に悪くなった」とは限りません。検査機器の違い、読影する医師の違い、撮影時の体位や呼吸のタイミング、当日の体調など、さまざまな要因で所見の見え方が変わることがあります。「今年だけ」の指摘であっても、念のため精査を受けることで安心につながります。

よくあるご相談パターン② 「結果票に専門用語がたくさん書いてあって、何のことか分かりません」

→精密検査を受ける医療機関で、結果票を見せながら「ここに書いてあることがよく分からないのですが」と質問していただいて構いません。医師や看護師が分かりやすく説明します。

【エビデンス補足】 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」では、受診勧奨判定値を超えた場合の対応について、生活習慣の改善と併せて医療機関での精査を推奨しています。

受診の目安──緊急性の見分け方

「要精査」と言われても、すべてが緊急を要するわけではありません。ただし、状況によっては早めの受診が必要な場合があります。ここでは、緊急性の見分け方について整理します。

すぐに医療機関へ相談すべき症状

以下のような症状がある場合は、検診結果の精査とは別に、早急に医療機関を受診してください。場合によっては救急対応が必要なこともあります。

  • 吐血、黒色便(タール便)、血便 →消化管からの出血が疑われます。出血量が多い場合は緊急性が高いです。
  • 強い腹痛、胸痛、背中の痛み →急性腹症(虫垂炎、胆石発作、膵炎など)や心臓・大血管の病気の可能性があります。
  • 息苦しさ、呼吸困難 →肺や心臓の病気、重度の貧血などが考えられます。
  • 意識がもうろうとする、強いめまい →脳の病気や重度の貧血、低血糖などが考えられます。
  • 急な体重減少、食欲低下が続く →数週間で数kg以上の体重減少は、何らかの病気が隠れている可能性があります。
  • 肉眼で分かる血尿(赤い尿、ピンク色の尿) →尿路の出血が疑われます。痛みを伴う場合は尿路結石、痛みがない場合は腫瘍の可能性も考慮して検査が行われます。

緊急性が低い場合の目安

一方、以下のような状況であれば、慌てずに計画的に精密検査を受けていただいて問題ありません。

  • 検診で指摘されたが、現在は特に自覚症状がない
  • 結果票に「1〜2か月以内に精査」「3か月以内に再検査」などと記載されている
  • 過去にも同じ指摘があり、精査の結果「経過観察」となっていた

このような場合でも、放置せず、指示された期間内に受診することが大切です。

精検受診率という視点

国立がん研究センターの報告によると、がん検診で要精査と判定された方のうち、実際に精密検査を受ける割合(精検受診率)は検診の種類によって異なります。精密検査を受けずに放置してしまうと、せっかくの早期発見の機会を逃してしまう可能性があります。

よくあるご相談パターン③ 「症状がないから大丈夫だと思って、去年の要精査を放置していました」

→多くの疾患、特にがんの初期段階では自覚症状がないことがほとんどです。症状がないからこそ、検診で「見つけてもらう」意味があります。過去に放置してしまった方も、今からでも遅くありませんので、ぜひ精査を受けてください。

検診結果票の確認ポイントを示す図解

精査を受けるときの持参物チェックリスト

精密検査をスムーズに、そして効率よく受けるために、以下のものを持参することをお勧めします。事前に準備しておくことで、当日の診察や検査がスムーズに進みます。

必須の持参物

1. 健診・検診の結果票

これが最も重要です。結果票には、どの検査項目で異常が指摘されたのか、具体的な数値や所見が記載されています。「検診で引っかかりました」とだけ伝えるよりも、結果票を見せていただく方が、担当医師は適切な検査計画を立てやすくなります。

画像検査(胸部X線、腹部エコーなど)の結果であれば、画像データ(CDやフィルム)があるとより望ましいです。健診機関によっては、希望すれば画像データを貸し出してくれる場合もあります。

2. 保険証(またはマイナンバーカード)

健診で要精査と判定された場合の精密検査は、健康保険が適用されます。保険証またはマイナンバーカード(保険証利用登録済みのもの)を必ずお持ちください。

3. お薬手帳(服用中の薬がある場合)

現在服用中の薬がある方は、お薬手帳をお持ちください。特に、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用している場合は、検査の種類によっては事前の休薬が必要になることがあります。

あると役立つもの

・過去の健診結果票

今回の結果だけでなく、過去数年分の結果票があると、経年変化を確認できます。「去年と比べて変化があるか」は診断において重要な情報です。

・紹介状(健診機関から発行された場合)

健診機関によっては、要精査の方に紹介状を発行してくれる場合があります。紹介状がなくても受診は可能ですが、あればより詳細な情報が共有されます。

・問診で聞かれそうな情報のメモ

診察では、以下のようなことを聞かれることが多いです。事前にメモしておくとスムーズです。

  • いつから症状があるか(症状がある場合)
  • 既往歴(過去にかかった病気、手術歴)
  • 家族の病歴(がん、心臓病、糖尿病、腎臓病など)
  • アレルギー(薬、造影剤、食べ物など)
  • 喫煙歴、飲酒習慣

ポイント 初めて受診する医療機関では、問診票の記入をお願いすることがほとんどです。上記の情報を事前に整理しておくと、記入がスムーズになります。

精密検査の持参物チェックリスト

検査の選び方(一般論)──CT・内視鏡・超音波の違い

精密検査にはさまざまな種類があり、指摘された内容や調べたい目的によって適切な検査が異なります。ここでは代表的な画像検査について、一般的な特徴と使い分けの考え方を解説します。

【重要】 どの検査が必要かは、医師が症状や結果票の内容、既往歴などを総合的に判断して決定します。以下は一般的な情報であり、実際には個別の状況によって最適な検査は異なります。

代表的な画像検査の特徴

検査仕組み特徴よく使われる場面
CT検査X線を使って体の断面画像を撮影短時間(数分〜10分程度)で広範囲を撮影可能。骨や空気、腫瘤の位置・大きさを詳しく評価できる胸部X線異常影の精査、腹部臓器の腫瘤評価、尿路結石、肺炎の評価など
超音波検査(エコー)超音波を当てて臓器を画像化放射線被ばくなし。リアルタイムで観察できる。痛みもなく体への負担が少ない腹部(肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓など)の評価、甲状腺、乳腺、頸動脈など
内視鏡検査カメラ付きの細い管を挿入して直接観察粘膜の色や形を直接見られる。必要に応じて組織を採取(生検)できる胃の異常、大腸の異常(便潜血陽性後の精査)、食道の評価など
MRI検査磁気を使って体の断面画像を撮影放射線被ばくなし。軟部組織(筋肉、脂肪、神経など)のコントラストが良い。検査時間が長め(20〜40分程度)肝臓腫瘤の性状評価、骨盤内臓器、脳・脊髄など

検査は「目的」で選ぶ

検査にはそれぞれ得意分野と苦手分野があります。たとえば同じ「お腹を調べる」という目的でも、何を調べたいかによって最適な検査は変わります。

例1:胆石があるか調べたい →超音波検査(エコー)が第一選択。胆嚢内の結石はエコーで見やすく、被ばくもありません。

例2:肺に影があると言われた →CT検査が有用。胸部X線では1枚の画像に臓器が重なって写りますが、CTでは体を輪切りにした画像が得られるため、影の正体をより正確に判断できます。

例3:便潜血陽性と言われた →大腸内視鏡検査が推奨されます。便潜血の原因として大腸ポリープや大腸がんの可能性を調べるためには、カメラで直接大腸の粘膜を観察し、必要に応じて組織を採取する検査が必要です。

例4:肝臓に影があると言われた →まず超音波検査で詳しく観察し、必要に応じてCTやMRIで性状を評価します。肝臓の「影」には良性のもの(血管腫、嚢胞など)も多いため、複数の検査を組み合わせて診断することがあります。

指摘別の次の一手(胸部X線・尿潜血・腹部エコー)

ここでは、健診や人間ドックでよく指摘される項目ごとに、一般的な対応の流れを解説します。ご自身の結果票と照らし合わせながら、参考にしてください。

※精査の流れは指摘内容や個々の状況によって異なります。以下は一般的な情報であり、実際の対応は医師の判断によります。

胸部X線で「異常影」「結節影」を指摘された方

胸部X線(レントゲン)検査は、肺・心臓・大血管・肋骨などを1枚の画像として撮影する検査です。検診では広く行われており、肺がんや肺結核などの早期発見に役立っています。

よくある指摘例

  • 「異常影あり」「陰影あり」
  • 「結節影」「腫瘤影」
  • 「浸潤影」「すりガラス影」
  • 「石灰化」「胸膜肥厚」

なぜ「要精査」になるのか

胸部X線は、体を正面から1方向で撮影するため、骨と血管、心臓と肺など、さまざまな臓器が重なって写ります。そのため、実際には問題のない構造物の重なりが「影」のように見えることがあります。

検診では「見落とし」を避けるため、少しでも気になる所見があれば「要精査」と判定されます。つまり、要精査と言われた方全員に病気があるわけではなく、「念のため詳しく調べましょう」という段階です。

精査の流れ(一般論)

  1. 内科または呼吸器内科を受診
  2. 問診・診察(喫煙歴、咳・痰の有無、過去の結核の既往など)
  3. 必要に応じて胸部CT検査を実施
  4. CTの結果に応じて:
    • 「異常なし」または「良性所見(古い炎症の痕など)」→ 経過観察または終了
    • 「要経過観察」→ 数か月後に再検査
    • 「さらなる精査が必要」→ 気管支鏡検査、PET-CT、専門施設への紹介など

尿潜血陽性を指摘された方

尿潜血とは、尿に血液の成分(ヘモグロビン)が混じっている状態のことです。健診では、尿に試験紙を浸して色の変化で判定します。

よくある原因(一般論)

尿潜血が陽性になる原因はさまざまです。必ずしも重い病気とは限りません。

  • 一時的・生理的なもの: 生理中の混入、激しい運動後、採尿時の汚染
  • 良性疾患: 尿路結石、膀胱炎、前立腺肥大(男性)、腎嚢胞
  • 糸球体疾患: IgA腎症などの腎臓の病気
  • 悪性腫瘍: 膀胱がん、腎がん、尿管がん(頻度は高くないが重要な鑑別)

精査の流れ(一般論)

  1. 内科、泌尿器科、または腎臓内科を受診
  2. 再検査(尿沈渣で赤血球の有無・形態を確認)
  3. 血液検査(腎機能の確認:クレアチニン、eGFRなど)
  4. 必要に応じて超音波検査やCT検査で腎臓・膀胱・尿管を評価
  5. 結果に応じて経過観察、追加検査(膀胱鏡など)、専門科への紹介

【エビデンス補足】 「血尿診断ガイドライン2023」(日本腎臓学会・日本泌尿器科学会など編)では、尿潜血陽性の場合、まず尿沈渣法で赤血球の有無を確認し、赤血球の形態(糸球体由来か尿路由来か)を評価することで、原因を推定するアルゴリズムが示されています。

よくあるご相談パターン④ 「毎年、尿潜血で引っかかっています。毎回精査しないといけないですか?」

→一度精査を受けて「異常なし」と判断されていれば、毎年の精査は必ずしも必要ないことが多いです。ただし、新たに肉眼的血尿(目で見て分かる血尿)が出た場合や、他の症状が加わった場合は改めて受診してください。

腹部エコーで「肝の腫瘤影」「胆嚢ポリープ」などを指摘された方

腹部超音波検査(腹部エコー)は、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓などの腹部臓器を観察する検査です。放射線被ばくがなく、痛みもないため、健診で広く行われています。

よくある指摘例

  • 肝臓: 肝嚢胞、肝血管腫、脂肪肝、肝腫瘤
  • 胆嚢: 胆嚢ポリープ、胆石、胆嚢腺筋腫症
  • 腎臓: 腎嚢胞、腎結石、水腎症
  • 膵臓: 膵嚢胞、膵管拡張
  • 脾臓: 脾腫(脾臓の腫大)

良性病変のことが多いが確認は必要

腹部エコーで指摘される所見の多くは、良性で治療不要なものです。たとえば、肝嚢胞(肝臓の中の液体がたまった袋)や肝血管腫(血管の良性腫瘍)は、健康な方でもよく見られる所見です。

ただし、エコーだけでは良性か悪性かの判断が難しい場合もあるため、「確認のための精査」が必要になることがあります。

一般的な精査の流れ

  1. 消化器内科や内科を受診
  2. 超音波検査の再検(詳細評価)
  3. 必要に応じて血液検査(肝機能、腫瘍マーカーなど)
  4. 所見によってはCT検査やMRI検査で性状を評価
  5. 結果に応じて経過観察(定期的なエコー検査)、治療、専門施設への紹介

よくあるご相談パターン⑤ 「肝臓に影があると言われて、がんではないかと心配です」

→ご心配はごもっともです。ただ、肝臓の「影」や「腫瘤」には、良性の血管腫や嚢胞など、治療不要なものも多く含まれます。まずは精査で性状を確認し、何なのかをはっきりさせることが大切です。良性と確認できれば、安心して経過観察に移れます。

当院では、肝臓系の所見について超音波検査やCT検査で対応可能です。野々市中央院ではフィブロスキャン(肝臓の硬さを測定する検査)も実施しており、脂肪肝や慢性肝障害の評価にも役立てています。

まとめ

健診で「要精査」と言われると、不安を感じるのは自然なことです。「何か悪い病気かもしれない」「検査が怖い」「忙しくて時間が取れない」  さまざまな理由で精査を後回しにしてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、精密検査を受けることには大きなメリットがあります。

精密検査を受けるメリット

  • 「問題なし」と確認できれば、安心感が得られる
  • 万が一、病気が見つかっても、早期発見・早期対応につながる
  • 経過観察が必要な場合も、定期的なフォロー体制を整えられる

この記事のポイント(まとめ)

  1. 結果票をしっかり確認する
    • どの項目で、どんな所見が指摘されたのかを把握しましょう。
  2. 緊急性のある症状がないか確認
    • 吐血、黒色便、強い痛み、息苦しさなどがあれば早急に受診してください。
  3. 持参物を準備して受診
    • 結果票、保険証、お薬手帳は必須。過去の結果票もあると役立ちます。
  4. 検査は目的に合わせて選ぶ
    • CTが必要か、エコーで十分か、内視鏡が必要か──医師の判断を仰ぎましょう。
  5. 指摘内容に応じた対応を取る
    • 胸部X線、尿潜血、腹部エコーなど、指摘された項目によって精査の流れは異なります。
「要精査」と「要再検査」は違いますか?

「要精査」は詳しい検査(精密検査)が必要という意味で、「要再検査」は同じ検査をもう一度行うという意味です。ただし、健診機関によって表記が異なる場合もあるため、結果票の説明欄を確認するか、健診機関に問い合わせると確実です。

精密検査はどこで受ければいいですか?

指摘された内容によって適切な診療科が異なります。胸部X線異常影なら内科・呼吸器内科、尿潜血なら内科・泌尿器科、腹部エコー異常なら消化器内科などが一般的です。迷う場合は、まず内科を受診し、必要に応じて専門科を紹介してもらう方法もあります。

精密検査の費用はどれくらいですか?

健診で要精査と判定された場合、精密検査は健康保険が適用されます。3割負担の場合、超音波検査で約1,500〜2,000円程度が目安です。CT検査は部位や造影の有無、初再診料などによって変動が大きく、4,000〜8,000円程度になることもあります。詳しくは受診時にご確認ください。※費用は検査内容や医療機関により異なります。

紹介状がなくても精密検査を受けられますか?

はい、紹介状がなくても受診可能です。ただし、健診結果票は必ずお持ちください。結果票があることで、どの検査が必要かをスムーズに判断できます。紹介状がある場合は、より詳細な情報が共有されるため、検査の効率が上がることがあります。

検査結果はすぐにわかりますか?

検査の種類によります。超音波検査は当日説明できることが多いですが、CT検査は読影に時間がかかる場合があり、後日結果説明となることもあります。また、組織検査(生検)を行った場合は、病理診断の結果が出るまで1〜2週間程度かかることがあります。

症状がなくても精密検査は必要ですか?

はい、必要です。多くの疾患は初期段階では自覚症状がありません。検診は症状が出る前に異常を見つけることが目的ですので、症状がなくても指摘があれば精査を受けることをお勧めします。精査の結果「問題なし」と確認できれば安心につながります。

検査が怖いのですが、どうすればいいですか?

不安なお気持ちは自然なことです。検査前に内容や流れを丁寧に説明し、ご質問にもお答えします。内視鏡検査では鎮静剤を使用して楽に受けられる方法もあります。遠慮なく不安な点をお伝えください。女性医師による対応も可能です。

「経過観察」と言われたらどうすればいいですか?

「経過観察」は、現時点では治療の必要はないが、定期的に様子を見ていきましょうという意味です。指示された期間(3か月後、6か月後、1年後など)に再検査を受けることが大切です。次回の受診時期をカレンダーに記入しておくと忘れにくくなります。

参考文献

1. 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)

  • 著者/編集: 厚生労働省 健康・生活衛生局
  • 掲載誌/機関: 厚生労働省
  • 発行年: 令和6年度版(最終更新:2025年11月25日)

2. 血尿診断ガイドライン2023

  • 著者/編集: 日本腎臓学会・日本泌尿器科学会・日本小児腎臓病学会・日本医学放射線学会・日本臨床検査医学会・日本臨床衛生検査技師会
  • 掲載誌/機関: ライフサイエンス出版
  • 発行年: 2023年

3. 腹部超音波検診判定マニュアル(2021年改訂版)

  • 著者/編集: 3学会合同判定マニュアル改訂委員会(日本消化器がん検診学会・日本超音波医学会・日本人間ドック学会)
  • 掲載誌/機関: 日本人間ドック学会
  • 発行年: 2021年(2021年6月29日改訂)

4. 呼吸器Q&A(Q22:胸部エックス線で結節影等)

  • 著者/編集: 一般社団法人日本呼吸器学会
  • 掲載誌/機関: 日本呼吸器学会 市民向けQ&A
  • 発行年: 継続更新

5. 胸部エックス線健診判定マニュアル

  • 著者/編集: 日本人間ドック学会 画像検査判定ガイドライン作成委員会
  • 掲載誌/機関: 日本人間ドック学会
  • 発行年: 2014年(学会掲載情報に基づく)

金沢消化器内科・内視鏡クリニックでは、健診で要精査となった方の精密検査に対応しています。

対応可能な検査

検査野々市中央院金沢駅前院
CT検査
超音波検査(腹部など)
内視鏡検査(胃・大腸)
フィブロスキャン

※検査の適応は、医師が診察の上で判断いたします。
※当院の専門領域外の精査が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介します。

CT検査の詳細については、下記ページもご参照ください。
▶ [当院のCT検査の詳細はこちら]

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この記事を書いた人

Dr.中村文保のアバター Dr.中村文保 医療法人社団心匡会 理事長

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医

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