突然、背中やわき腹に走る激しい痛み。冷や汗が出るほどの痛みに「これは何だろう」「何科に行けばいいの?」と焦る方は少なくありません。
このような痛みの原因として多いのが尿路結石です。結石が尿の通り道を塞ぐことで、急性症状として強い痛みを引き起こします。
この記事では、尿路結石が疑われるときに何科を受診すればよいか、救急に行くべき目安、当日の検査の流れを分かりやすく解説します。痛みの正体を知り、適切な受診先を選ぶ参考にしてください。
背中〜わき腹の急な痛み、尿路結石かも?

尿路結石とは
尿路結石とは、腎臓から尿道までの「尿の通り道」にできる石のことです。腎臓で作られた結石が尿管(腎臓と膀胱をつなぐ細い管)に落ちて詰まると、急に強い痛みが生じます。
痛みの特徴
尿路結石による痛みには、いくつかの特徴があります。
- 部位:背中から、わき腹、下腹部にかけて広がることが多い
- 性質:「七転八倒するほど」と表現されるような激痛。波があり、強くなったり弱くなったりを繰り返す
- 随伴症状:吐き気、冷や汗、血尿を伴うことがある
【よくある相談パターン①】 「朝起きたら急に背中が痛くなり、トイレに行ったら尿が赤っぽかった」 → 結石が尿管を傷つけて血尿が出ることがあります。痛みと血尿の組み合わせは尿路結石を疑う重要なサインです。
他の病気との見分け
背中やわき腹の痛みは、尿路結石以外にも腎盂腎炎(腎臓の細菌感染)、胆石、筋肉や骨の問題などでも起こります。自己判断は難しいため、強い痛みが続く場合は医療機関を受診することが大切です。
尿路結石の痛みは何科を受診すべき?
「何科に行けばいいか分からない」という声はとても多いです。結論から言えば、以下のいずれかを受診してください。
受診先の選択肢
| 診療科 | 特徴 |
|---|---|
| 泌尿器科 | 尿路結石の専門。診断から治療まで一貫して対応可能 |
| 内科・消化器内科 | 腹痛の原因を幅広く評価できる。CT検査が可能な施設なら結石の有無を確認できる |
| 救急外来 | 夜間・休日、または痛みが非常に強い場合に選択 |
まずは「診てもらえる場所」でOK
尿路結石は泌尿器科が専門ですが、「すぐに泌尿器科が見つからない」「痛みが強くて待てない」という場合は、CT検査ができる内科や救急外来を受診しても問題ありません。結石の有無を確認したうえで、必要に応じて泌尿器科へ紹介を受ける流れが一般的です。
【よくある相談パターン②】 「かかりつけは内科だけど、結石っぽいなら泌尿器科じゃないとダメ?」 → まずは内科で構いません。検査で結石と分かれば、専門的な治療が必要な場合に泌尿器科へ紹介してもらえます。
救急受診が必要なケース・様子をみてよいケース

痛みが出たとき、「救急に行くべきか」「翌日まで待ってよいか」は悩むところです。以下を目安にしてください。
🔴 すぐに救急受診を検討
- 痛みが非常に強く、動けない・冷や汗が止まらない
- 38℃以上の発熱がある(感染合併の可能性)
- 尿がまったく出ない
- 意識がぼんやりする
【重要】 発熱を伴う尿路結石は「尿路感染症」を合併している可能性があり、急を要することがあります。
🟡 翌日〜数日以内に受診を
- 痛みはあるが我慢できる程度
- 血尿があるが発熱はない
- 食事・水分が摂れている
🟢 様子をみてよい場合
- 痛みが一時的で、すでに治まっている
- 過去に結石の既往があり、同様の経過で自然排石した経験がある
ただし、症状が悪化したり、新たな症状が加わった場合は早めに受診してください。
当日の検査の流れ(尿検査・採血・CT)

医療機関を受診すると、通常は以下のような流れで評価が行われます。
Step 1:問診
いつから、どこが、どのように痛むかを確認します。血尿の有無、発熱、過去の結石歴なども重要な情報です。
Step 2:尿検査
尿中に血液が混じっていないか(尿潜血)、感染の兆候がないかを調べます。尿潜血陽性は尿路結石を疑う手がかりになります。
Step 3:採血
腎機能や炎症の程度を確認します。発熱がある場合は感染の重症度を評価するうえで重要です。
Step 4:画像検査(CT)
尿路結石の診断で最も有用とされるのがCT検査です(国内外のガイドラインで推奨)。造影剤を使わない単純CTで、結石の有無・位置・大きさを正確に把握できます。
超音波検査も補助的に用いられますが、小さな結石や尿管の結石はCTのほうが検出しやすいとされています。
【よくある相談パターン③】 「レントゲンだけでは分からないの?」 → 小さな結石やレントゲンに写りにくい種類の結石(尿酸結石など)もあるため、CTのほうが確実性が高いとされています。
クリニックでできること・専門病院へ紹介する場合
クリニックで対応できること
CT検査が可能なクリニックであれば、結石の有無を確認し、以下のような初期対応が可能です。
- 痛みのコントロール:鎮痛薬(NSAIDsなど)の処方は、診察のうえで医師が判断します
- 水分摂取・経過観察の指導:小さな結石は自然に排石されることも多く、その場合は経過観察が選択されます
- 尿路感染の評価と治療:感染を合併している場合は抗菌薬の投与を検討します
専門病院へ紹介する場合
以下のようなケースでは、泌尿器科を擁する専門病院への紹介を行います。
- 結石が大きく、自然排石が難しいと判断される場合
- 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や内視鏡手術が必要な場合
- 感染が重症で入院加療が必要な場合
- 腎機能障害が進行している場合
クリニックで診断をつけたうえで、適切なタイミングで専門施設へつなぐことが大切です。
健診で尿潜血を指摘されていた方へ
健診で尿潜血陽性を指摘されていた方が、後に尿路結石と診断されるケースは珍しくありません。自覚症状がないうちから結石が存在していた可能性があります。健診結果を放置せず、一度評価を受けておくことをおすすめします。
まとめ:痛みを我慢せず早めの相談を
背中からわき腹にかけての急な激痛は、尿路結石を疑う典型的なサインです。何科を受診すべきか迷ったら、まずはCT検査が可能な内科や、泌尿器科、あるいは夜間・休日であれば救急外来を選んでください。
- 発熱を伴う場合、尿が出ない場合は早めに救急受診を検討
- 痛みが落ち着いていても、血尿や違和感が続く場合は近日中に受診を
- 小さな結石であれば自然排石が期待できることも多い
痛みを我慢し続ける必要はありません。症状が続く場合や不安が強い場合は、早めに医療機関へご相談ください。
なお、金沢・野々市・白山市エリアでは、当院(金沢消化器内科・内視鏡クリニック)でもCT検査に対応しており、急な腹痛や背中の痛みの原因検索が可能です。
▶ [当院のCT検査の詳細はこちら]
- 尿路結石の痛みは何科に行けばいいですか?
-
泌尿器科が専門ですが、CT検査ができる内科や消化器内科でも診断は可能です。夜間や休日は救急外来を受診してください。結石と診断された後、必要に応じて泌尿器科へ紹介を受ける流れが一般的です。
- 尿路結石の痛みはどれくらい続きますか?
-
痛みの持続時間は個人差があります。結石が移動すると痛みが和らぐこともあれば、数時間〜1日以上続くこともあります。痛みが治まらない場合は医療機関を受診してください。
- 血尿が出たら尿路結石ですか?
-
血尿は尿路結石でよくみられる症状ですが、膀胱炎や腎臓の病気など他の原因でも起こります。自己判断せず、尿検査や画像検査で原因を確認することが大切です。
- 尿路結石は自然に治りますか?
-
小さな結石(一般的に5mm以下)は水分を多く摂ることで自然に排石されることがあります。ただし、大きな結石や症状が強い場合は治療が必要です。経過は医師と相談してください。
- 尿路結石の検査は痛いですか?
-
尿検査や採血、CT検査はいずれも大きな痛みを伴うものではありません。CTは横になって数分で終わる検査です。事前に不安があれば医療スタッフに伝えてください。
- 鎮痛薬を飲んでから受診しても大丈夫ですか?
-
市販の鎮痛薬を服用してから受診しても問題ありません。ただし、服用した薬の種類と時間を医師に伝えてください。痛みが非常に強い場合は我慢せず受診を優先してください。
- 尿路結石を予防する方法はありますか?
-
1日尿量が2L以上になるよう十分な水分を摂ることが基本です(ガイドラインで推奨)。食事内容や生活習慣も関係するため、再発を繰り返す方は泌尿器科で詳しい指導を受けることをおすすめします。
参考文献
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- Expert Panel on Urological Imaging; Gupta RT, et al. ACR Appropriateness Criteria® Acute Onset Flank Pain–Suspicion of Stone Disease (Urolithiasis). J Am Coll Radiol.2023;20(11S):S315–S328.doi:10.1016/j.jacr.2023.08.020.
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