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ポリープ摘出手術の方法と回復までの期間

ポリープ摘出手術の方法と回復までの期間

健康診断や人間ドックの大腸内視鏡検査でポリープが見つかり、切除手術を勧められたものの、どのような手術なのか、痛みはあるのか、仕事はいつから復帰できるのかなど、多くの疑問や不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、大腸ポリープの基本的な知識から、摘出手術の方法、手術前の準備、手術後の回復期間や生活上の注意点まで、詳しく解説します。

目次

大腸ポリープとは何か

まず、治療の対象となる大腸ポリープそのものについて理解を深めましょう。ポリープがどのようなもので、なぜできるのか、そして放置するとどうなるのかを知ることは、手術の必要性を理解する上でとても大切です。

ポリープの正体と種類

大腸ポリープとは、大腸の粘膜の表面にできる、いぼ状やきのこ状の隆起した病変の総称です。

一口にポリープといっても、性質によっていくつかの種類に分けられ、大きく分けると、将来的にがん化する可能性のある腫瘍性ポリープと、がん化の可能性がほとんどない非腫瘍性ポリープがあります。

大腸内視鏡検査で発見されるポリープの多くは、腫瘍性ポリープである腺腫(せんしゅ)です。

ポリープの分類

分類主な種類特徴
腫瘍性ポリープ腺腫大腸がんの前段階と考えられ、切除の主な対象となる。
非腫瘍性ポリープ過形成性ポリープ基本的にはがん化しないが、一部にがん化のリスクがあるものも存在する。
非腫瘍性ポリープ炎症性ポリープ潰瘍性大腸炎など、腸の炎症が治る過程でできる。がん化はしない。

なぜポリープができるのか

大腸ポリープ、特に腺腫ができる明確な原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因に加え、食生活や生活習慣が大きく影響するといわれています。

  • 食生活の欧米化(高脂肪・低繊維食)
  • 肥満
  • 過度な飲酒
  • 喫煙

要因が複雑に絡み合い、大腸の粘膜の細胞に異常な増殖を起こし、ポリープが発生すると考えられています。また、年齢を重ねるにつれて発生頻度が高まる傾向もあります。

ポリープを放置するリスク

非腫瘍性のポリープは基本的に心配ありませんが、問題となるのは腫瘍性ポリープである腺腫です。腺腫は、それ自体は良性の腫瘍ですが、放置すると長い年月をかけて少しずつ大きくなり、その過程でがん細胞が発生する可能性があります。

これが腺腫内がんで、さらに進行すると大腸がんになります。すべての腺腫ががん化するわけではありませんが、がん化のリスクを秘めているポリープを早期に切除することが、大腸がんの有効な予防策です。

ポリープが見つかりやすい検査

大腸ポリープ、特に初期の小さなものは自覚症状がほとんどありません。そのため、症状がない段階で発見するには、定期的な検査が重要で、最も確実で有用な検査は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。

ポリープの有無だけでなく、大きさ、形、色調などを詳細に確認でき、発見したその場で組織を採取したり、切除したりすることもできます。

便潜血検査で陽性反応が出た場合や、血縁者に大腸がんの既往がある方などは、一度専門の医療機関で相談してください。

ポリープ摘出手術の対象と判断基準

大腸内視鏡検査でポリープが見つかった場合、すべてを切除するわけではありません。ポリープの大きさや形、組織の種類などを総合的に評価し、切除するかどうかを判断します。

すべてのポリープを切除する必要はあるか

ポリープにはがん化のリスクがある腫瘍性のものと、その可能性が低い非腫瘍性のものがあります。内視鏡で観察した際に、明らかに非腫瘍性であると判断できる小さな過形成性ポリープなどは、切除せずに経過観察とすることもあります。

しかし、腺腫と過形成性ポリープの外見上の区別が難しい場合や、将来的ながん化のリスクを考慮し、基本的には切除を推奨することが多いです。

大きさや形状による切除の判断

ポリープの大きさは、がん化のリスクを判断する上で重要な指標の一つです。一般的に、ポリープが大きくなるほど、がん細胞が含まれる可能性が高まります。

ポリープの大きさとがん化のリスク

ポリープの大きさがんが含まれる確率の目安
5mm以下ごくわずか
6mm~9mm数%程度
10mm以上10%以上(20mmを超えるとさらに高まる)

5mmを超えるポリープは切除の対象となることが多いです。また、大きさだけでなく、表面が陥凹している(へこんでいる)形状や、いびつな形をしているポリープも、がん化を疑う所見として切除を検討します。

組織の種類と切除

内視鏡での見た目だけでは、ポリープが良性か悪性かを100%確定することはできません。最終的な診断は、切除したポリープを顕微鏡で詳しく調べる病理組織検査によって行います。

少しでもがん化の可能性があると判断されるポリープ、つまり腺腫が疑われる場合は、診断と治療を兼ねて切除することが原則です。切除することで、ポリープが良性であったとしても、将来のがん化を防ぐことにつながります。

手術を検討するタイミング

ポリープの切除は、大腸内視鏡検査の際に同時に行うことが可能です。

検査でポリープが発見され切除が妥当と判断された場合、患者さんの同意を得た上で、その場で切除手術へ移行し、検査と治療を一度で済ませることができます。

ただし、ポリープが非常に大きいかったり、数が多い、血液をサラサラにする薬を服用している場合などは、後日の切除となることもあります。

主なポリープ摘出手術の方法

大腸ポリープの切除手術は内視鏡を用いて行い、開腹手術の必要はなく、体への負担が少ないのが特徴です。ポリープの大きさや形状、場所に応じて、いくつかの手技を使い分けます。

コールドポリペクトミー(低温ポリペクトミー)

比較的小さなポリープ(主に10mm未満)に対して行われる方法です。内視鏡の先端からスネアと呼ばれる金属製の輪を出し、ポリープの根元に引っ掛けて、そのまま焼き切らずに物理的に摘み取ります。

高周波電流(電気)を使わないため、熱による腸管へのダメージが少なく、手術後の出血や穿孔(腸に穴が開くこと)といった偶発症のリスクが低いのが大きな利点です。近年、安全性の高さから主流となりつつある手技です。

ポリペクトミー(高周波スネア使用)

従来から行われている標準的な方法で、主に少し大きめの茎(くき)があるようなポリープに用います。コールドポリペクトミーと同様にスネアをポリープに掛けた後、高周波電流を流して焼き切ります。

電気で焼きながら切除するため、切除と同時に止血ができますが、熱が腸の壁に深く伝わりすぎると後から出血したり、まれに穿孔を起こしたりするリスクがあるので注意が必要です。

主な内視鏡的切除術の比較

手術方法主な対象ポリープ特徴
コールドポリペクトミー10mm未満の小さなポリープ電気を使わず安全性が高い。
ポリペクトミー茎のあるポリープなど電気で焼き切るため止血効果がある。
EMR平坦で大きなポリープ(20mm程度まで)粘膜下に液体を注入し、安全に切除する。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

平坦な形をしていてスネアが掛かりにくいポリープや、20mm程度の少し大きめのポリープに対して行われる方法です。まず、内視鏡の先端から注射針を出し、ポリープの下の層(粘膜下層)に生理食塩水などの液体を注入します。

これにより、ポリープが人工的に浮き上がり、安全にスネアを掛けることができ、その後、高周波電流を流して焼き切ります。粘膜下層に液体を入れることで、電気が腸の深い層へ伝わるのを防ぎ、穿孔のリスクを低減させます。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

EMRでは一括で切除できないような、さらに大きなポリープ(主に20mm以上)や、早期大腸がんが強く疑われる病変に対して行われる、より高度な技術を要する手技です。

内視鏡の先端から電気メスを出し、病変の周囲の粘膜を少しずつ切開し、粘膜下層を剥がしながら病変を切り取ります。大きな病変でも分割せずに一括で切除できるため、正確な病理診断が可能となるのが最大の利点です。

ただし、手技が複雑で時間もかかり、出血や穿孔のリスクもEMRより高くなるため、入院が必要となり、限られた専門施設で行われます。

ポリープ摘出手術前の準備と流れ

安全で確実な手術を行うためには、事前の準備がとても重要です。ここでは、手術を受ける前の準備と当日の流れについて説明します。

手術前の診察と説明

まず、手術の前に医師による診察があり、現在の健康状態や、普段服用している薬、過去の病気やアレルギーの有無などを確認します。

その後、医師からポリープの状態や手術の必要性、手術方法、考えられるリスクや偶発症について詳しい説明を受けます。内容を十分に理解し、納得した上で、手術への同意書に署名します。

食事制限と下剤の服用

大腸内視鏡手術で最も大切な準備が、腸管洗浄です。大腸の中に便が残っていると、ポリープの観察が困難になったり、安全な切除ができなかったりするので、手術前日から食事制限を開始し、当日に下剤を服用して腸の中を空っぽにします。

手術前日の食事例

時間食事内容注意点
朝食・昼食おかゆ、うどん、食パンなど消化の良いものを食べる。
夕食検査食または具のないスープなど午後9時頃までに済ませる。
就寝前処方された下剤を服用指示通りに服用する。

手術当日は、朝から約1〜2リットルの液体状の腸管洗浄剤を数時間かけて飲みます。何度かトイレに行き、便が固形物のない液体状になれば、準備完了です。

服用中の薬に関する注意点

普段から服用している薬がある場合は、必ず医師に申し出てください。特に、血液を固まりにくくする薬(抗血小板薬や抗凝固薬)は、手術後の出血のリスクを高めるため、手術前に一定期間休薬することがあります。

  • バイアスピリン
  • ワーファリン
  • プラビックス
  • エリキュース、イグザレルト、リクシアナなど

抗血小板薬や抗凝固薬は、心臓や脳の血管の病気の治療に重要な役割を果たしていることが多いため、自己判断で中止するのは大変危険です。必ず、処方している主治医と内視鏡を行う医師の両方と相談の上、指示に従ってください。

手術当日の流れ

来院後まず腸管洗浄の状態を確認し、その後、検査着に着替え検査室へ移動します。鎮静剤を使用する場合は、点滴のルートを確保します。内視鏡検査を開始し、大腸全体を観察しながらポリープの位置や状態を再確認します。

切除対象のポリープが見つかったら、前述のいずれかの方法で切除を行い、手術自体にかかる時間は、ポリープの数や大きさ、場所によって異なりますが、通常は10分から30分程度です。

手術終了後は、鎮静剤の効果が覚めるまで、リカバリールームで1〜2時間ほど休みます。

ポリープ摘出手術後の回復期間と生活

手術が無事に終わっても、切除した部分の傷が完全に治るまでには時間がかかります。手術後の偶発症を防ぎ、順調な回復を促すためには、生活上のいくつかの注意点を守ることが大切です。

手術直後の安静と注意点

手術当日は、鎮静剤の影響が残っている可能性があるため、車の運転や自転車の運転、危険な作業は絶対に避けてください。帰宅後は激しい運動はせず、ゆっくりと安静に過ごすことが大事です。

医師から特に指示がない限り、シャワー浴は可能ですが、長時間の入浴は血行が良くなりすぎて出血のリスクを高めるため、控えましょう。

食事の再開と内容の注意

手術後の食事は、腸への負担を避けるため、消化の良いものから段階的に開始し、手術当日は、おかゆやうどん、スープなど、柔らかく刺激の少ないものにします。

その後数日間は、アルコールや香辛料などの刺激物、脂肪分の多い食事、食物繊維の多い食品(きのこ、海藻、ごぼうなど)は避けてください。

手術後の食事の進め方

期間食事内容の目安
手術当日おかゆ、うどん、スープ、豆腐など
手術後2~3日白身魚、鶏ささみ、卵料理などを加える
手術後1週間程度徐々に普段の食事に戻していく

運動や入浴、飲酒の制限

手術後の生活制限は、偶発症である後出血(手術後しばらくしてから出血すること)を防ぐためにとても重要です。制限の期間は、切除したポリープの大きさや数、手術方法によって異なりますが、一般的な目安があります。

手術後の活動制限の目安

活動内容制限期間の目安
飲酒約1週間
激しい運動(ジョギング、筋トレなど)約1~2週間
長距離の移動(飛行機など)約1週間
湯船での入浴数日~1週間

期間はあくまで目安で、必ず担当医の指示に従ってください。特に、飲酒は血行を促進し、出血のリスクを著しく高めるため、厳守することが大切です。

社会復帰までの目安

デスクワークなどの事務的な仕事であれば、多くの場合、手術の翌日から復帰が可能です。ただし、体を激しく動かす仕事や、重い物を持つ仕事の場合は、1週間程度の安静が必要となることもあります。

ご自身の仕事内容を医師に伝え、いつから復帰できるかを確認しておくと良いでしょう。

ポリープ摘出手術の偶発症とリスク

大腸ポリープの内視鏡手術は、一般的に安全性の高い治療ですが、医療行為である以上、リスクがゼロではありません。まれに起こりうる偶発症について正しく理解し、万が一の際に備えておくことも大切です。

手術中や手術後の出血(後出血)

最も頻度の高い偶発症が出血ですが、手術中に起こる出血は、内視鏡で確認しながら止血処置ができるため、大きな問題となることはまれです。注意が必要なのは、手術後数時間から数日経ってから起こる後出血です。

頻度は1%程度とされていますが、切除したポリープが大きいほどリスクは高まります。

少量の血液が便に混じる程度であれば様子を見ることもありますが、大量の出血や、血の塊が出る、腹痛を伴うなどの場合は、速やかに手術を受けた医療機関に連絡が必要です。

大腸穿孔(腸に穴が開くこと)

非常にまれですが、最も重篤な偶発症が大腸穿孔で、ポリープを切除する際に、熱が腸の壁の深いところまで伝わりすぎたり、内視鏡の操作によって腸に穴が開いてしまったりする状態です。

頻度は0.1%以下と非常に低いですが、もし発生した場合は腹膜炎を引き起こす可能性があるため、緊急の開腹手術が必要となることがあります。

手術後に、これまでにない強い腹痛や、お腹の張り、発熱などが現れた場合は、穿孔の可能性も考えられるため、直ちに医療機関への連絡が必要です。

薬剤によるアレルギー反応

手術の際に使用する鎮静剤や鎮痛剤、消毒薬などに対して、アレルギー反応が起こる可能性があり、じんましんや発疹、血圧低下などの症状が現れます。事前にアレルギー歴を詳しく伝えることで、リスクを下げることが可能です。

手術中は、医師や看護師が全身状態を注意深く監視しており、万が一アレルギー反応が起きた場合でも、迅速に対応できる体制を整えています。

偶発症が起きた場合の対応

手術後は、偶発症が起きた際の連絡先や対応方法について、必ず説明があります。万が一、下記のような症状が現れた場合は、自己判断で様子を見たりせず、ためらわずに指示された連絡先に電話してください。

  • 便器が真っ赤になるほどの大量の血便
  • 我慢できないほどの強い腹痛
  • 冷や汗やめまいを伴う腹痛
  • 38度以上の高熱

ポリープ切除後の経過観察と再発予防

ポリープを切除して治療が完了しても、それで終わりではありません。切除したポリープの性質を詳しく調べること、新たなポリープができていないかを確認するための定期的な経過観察が、将来の大腸がん予防のために極めて重要です。

切除したポリープの病理組織検査

切除したポリープは、病理医という専門の医師が顕微鏡で詳細に観察し、良性か悪性か、どのような種類のポリープであったかを診断します。これを病理組織検査といい、結果が出るのは通常1〜2週間後です。

後日、外来で医師から検査結果の説明を受け、結果によって、今後の治療方針や次回の検査時期が決まります。

病理組織検査の結果と今後の対応

検査結果今後の対応
良性の腺腫治療は完了。定期的な経過観察へ。
早期がん(粘膜内がん)内視鏡治療で治癒と判断され、定期的な経過観察へ。
進行がん(粘膜下層深部浸潤がん)追加の外科手術や化学療法が必要となる場合がある。

定期的な内視鏡検査の重要性

一度ポリープができたということは、その人の大腸はポリープができやすい環境であると考えられ、ポリープを切除しても、将来、別の場所に新たなポリープが発生する可能性があります。

切除後も定期的に大腸内視鏡検査を受け、新しいポリープができていないか、できていた場合は早期に切除することが、大腸がんの予防につながります。

再発予防のための生活習慣

ポリープの発生には生活習慣が深く関わっているため、見直しは再発予防に有効です。すぐに効果が出るものではありませんが、長期的に継続しましょう。

  • バランスの取れた食事(野菜や果物、食物繊維を多く摂る)
  • 赤身肉や加工肉の摂取を控える
  • 適度な運動習慣
  • 適正体重の維持
  • 禁煙と節酒

健康的な生活習慣は、大腸ポリープだけでなく、他の生活習慣病の予防にもつながります。

次回の検査間隔の目安

切除後の内視鏡検査の間隔は、切除したポリープの数、大きさ、病理組織検査の結果などを総合的に考慮して決定します。

検査間隔の一般的な目安

切除したポリープの状態次回の検査間隔の目安
小さな腺腫が1~2個2~3年後
10mm以上の腺腫、または腺腫が多数1年後
早期がんの内視鏡治療後半年~1年後

あくまで一般的な目安であり、個々の患者さんの状態によって異なります。必ず医師の指示に従い、推奨された間隔で検査を受け続けることが重要です。

ポリープ切除手術に関するよくある質問

最後に、ポリープの切除手術に関して、患者さんからよく寄せられる質問と回答をまとめました。

手術中の痛みはありますか

大腸の粘膜には痛覚(痛みを感じる神経)がないため、ポリープを切除する際に痛みを感じることはありません。ただし、内視鏡を挿入する際や、腸が空気で伸びる際に、お腹の張りや違和感、軽い痛みを感じることがあります。

多くの医療機関では、患者さんの苦痛を和らげるために鎮静剤や鎮痛剤を使用し、うとうとと眠っているような、リラックスした状態で検査や手術を受けることができます。

手術は日帰りできますか

切除するポリープの大きさや数、患者さんの全身状態にもよりますが、ほとんどのポリープ切除手術は日帰りで行うことが可能です。

特に、コールドポリペクトミーで切除できるような小さなポリープの場合は、安全に日帰り治療ができます。

ただし、ポリープが非常に大きい場合や、数が多い場合、血液をサラサラにする薬を服用している場合、あるいは重篤な持病がある場合などは、安全を期して入院での治療を勧めることもあります。

手術費用はどのくらいかかりますか

大腸ポリープの切除手術は、健康保険が適用されます。

あくまで目安ですが、3割負担の場合、検査のみであれば6,000円~10,000円程度、ポリープを切除した場合は20,000円~30,000円程度になることが多いです。

これに加えて、事前の診察料や、病理組織検査の費用などが別途かかります。

ポリープを複数同時に切除できますか

一回の内視鏡検査で複数のポリープが見つかった場合、安全に切除できると判断されれば、同時に切除します。何度も検査や下剤の服用をする必要がなく、一度の治療で済むため、患者さんの負担を軽減できます。

ただし、あまりにも数が多い場合や、大きなポリープが複数ある場合は、出血などのリスクを考慮し、何回かに分けて切除することもあります。

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この記事を書いた人

Dr.中村文保のアバター Dr.中村文保 医療法人社団心匡会 理事長

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医

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