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なぜ胃薬が効かないのか?「逆流性食道炎」と「睡眠時無呼吸」の関係

薬が効かない胸やけ。

その原因は「胃酸」

ではなく
「呼吸」かも

「胃薬を飲み続けているのに、すっきりしない」 「朝起きると、口の中が酸っぱい・苦い」
もしあなたがそんな症状に悩んでいるなら、あなたの「眠り方」が影響しているかもしれません。

目次

胃薬は「酸」を消せますが、「吸引」は止められません。

一般的な胃薬(PPIやP-CAB)は、胃酸の分泌を抑える薬です。「酸」を弱めることには非常に効果的です。

しかし、もし「胃液そのものが、強力な力で吸い上げられている」としたらどうでしょうか? どんなに酸を弱くしても、液体が逆流してくる物理的な現象そのものは止められません。

実は、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の方の食道では、このような現象が起きている可能性があります。

胸の中が「掃除機」になる? 無呼吸が引き起こす「胸腔内陰圧」の正体。

1.睡眠中、舌が落ち込み気道が塞がります(無呼吸)。

2.それでも体は呼吸しようとして、横隔膜を強く動かします。

3.空気の通り道が塞がっているのに無理に息を吸おうとするため、胸の中が強力な「真空状態(陰圧)」になります。

4. この「吸引力」が、胃の中にあるものを無理やり食道へ吸い上げてしまうことがあります。

これは、ストローでジュースを吸い上げるのと同じ原理です。 あなたが寝ている間、無意識のうちに「自分の力で胃液を吸い上げている」。これが、薬が効かない難治性逆流性食道炎の原因であるケースがあるのです。

「空気の圧力」で、逆流を物理的にブロックする。

この「吸引」を止める方法は、気道を塞がないようにすることです。 体位変換や減量などのアプローチの他、睡眠時無呼吸症候群の治療に使われるCPAP(シーパップ)療法があります。CPAPで常に空気を送り込むことで気道を広げ、「空気の添え木」のような役割を果たします。

  • 真空状態の解消 : 気道が開くことで、胸の中の無理な吸引力がなくなります。
  • 物理的なバリア : 空気の圧力が、胃液が上がってくるのを抑え込む「蓋」の役割も果たします。

こんな症状は「無呼吸」のサインかもしれません。

  • 強い胃薬(PPI/P-CAB)を飲んでも症状が残る
  • 就寝中、酸っぱいものが上がってきて咳き込んで起きる
  • 枕を高くしないと眠れない、または座って寝ることがある
  • 肥満傾向があり、いびきを指摘されたことがある
  • 朝起きた時、のどがヒリヒリする、声が枯れている

逆流性食道炎の標準治療はあくまで薬物療法と生活習慣の改善です。ただし上記の項目が複数当てはまる方は、胃の検査だけでなく、一度「睡眠の検査」を受けてみることを強くお勧めします。


専門医が執筆:逆流性食道炎×睡眠時無呼吸症候群コラム

この記事の監修者

医療法人社団心匡会 理事長 中村 文保

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医
  • 日本肝臓学会 肝臓専門医
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この記事を書いた人

Dr.中村文保のアバター Dr.中村文保 医療法人社団心匡会 理事長

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医

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