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薬が増え続ける高血圧・糖尿病と「睡眠時無呼吸症候群」の関係

薬を飲んでいても改善しない高血圧・糖尿病

「交感神経の暴走」が関係しているかも

「塩分を控えているのに、血圧が下がらない」 「カロリー制限をしているのに、血糖値(HbA1c)が安定しない」

もしあなたがそのような状況なら、それは生活習慣の乱れだけが原因ではないかもしれません。 あなたが寝ている間に、血管やインスリンの働きを邪魔している「意外な原因」が存在する可能性があります。

目次

寝ている間、体はずっと「窒息」と戦っています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、寝ている間に何度も呼吸が止まります。 すると、脳は「酸素が足りない!危険だ!」と判断し、交感神経(興奮した時に働く神経)を強制的に活性化させます。

交感神経が働くと、全身の血管がキュッと縮まり、血圧が跳ね上がります。本来、体を休めるはずの睡眠中に、血管はずっとマラソンをしているような負担を受け続けているのです。

実際に、3種類以上の降圧薬を飲んでも血圧が下がらない「治療抵抗性高血圧」の患者さんのうち、約75%に睡眠時無呼吸が合併しているというデータも報告されています 。

「酸欠」が、インスリンの効きを悪くする。

糖尿病の治療において重要なのは、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きです。 しかし、睡眠中の無呼吸(間欠的低酸素)によるストレスは、このインスリンの働きを鈍らせてしまう「インスリン抵抗性」を引き起こすことが分かっています 。

「甘いものを食べていないのに血糖値が高い」という場合、夜間の呼吸状態が悪化していることで、体内の糖代謝がスムーズにいっていない可能性が考えられます 。

血管の「本当の休息」を取り戻す。

CPAP(シーパップ)療法によって睡眠中の呼吸を確保することは、単にいびきを止めるだけではありません。

交感神経の鎮静化: 「戦うモード」を解除し、血管を開いて血圧を安定させやすくします。

代謝の改善: 一部の研究で、CPAP使用によりインスリン抵抗性の改善が示されており、酸素が十分に行き渡ることで、インスリンの働きを助けられる可能性があります。

薬物療法にCPAP治療を組み合わせることで、「お薬の量を減らせた」「数値が安定した」という臨床報告もあり、生活習慣病の補助的治療として重要です。


血圧・血糖値が高い方へ。こんな症状はありませんか?

  • 薬を飲んでも血圧が高い(特に朝の血圧が高い「早朝高血圧」)
  • 夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
    ※無呼吸で心臓に負担がかかると、尿を増やすホルモンが分泌されるためです。
  • 朝起きた時に頭痛がする
  • 糖尿病、高脂血症(脂質異常症)の治療中である
  • いびきを指摘されたことがある

これらは、体が発している「夜のSOS」かもしれません。 生活習慣病の治療効果を高めるために、一度「睡眠の検査」をご検討ください。


専門医による記事

この記事の監修者

医療法人社団心匡会 理事長 中村 文保

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医
  • 日本肝臓学会 肝臓専門医

当院は、金沢・野々市・白山市の皆様に信頼される「地域のかかりつけ医」として、専門性の高い消化器診療と温かい内科医療を提供しています。

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この記事を書いた人

Dr.中村文保のアバター Dr.中村文保 医療法人社団心匡会 理事長

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医

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