
「寝ている間に検査」を、
もっと安全に。
「麻酔時の呼吸トラブル」
から守るための取り組み。
苦痛の少ない「鎮静剤」を使用した内視鏡検査は、非常に有用な検査方法です。 しかし、普段から「いびき」をかく方や「睡眠時無呼吸」の傾向がある方の場合、お薬の影響で呼吸が弱くなりすぎるリスクがあることをご存知でしょうか? 当院では、消化器内科医が事前に「睡眠リスク」を評価することで、より安全な検査体制を構築しています。
なぜ、いびきをかく人は注意が必要なのか?
鎮静剤には、緊張を和らげて眠くする作用と同時に、全身の筋肉をリラックスさせる(緩める)作用があります。
普段から気道が狭い方(いびきをかく方)が鎮静剤を使用すると、舌の付け根(舌根)が重力で喉の奥に落ち込みやすくなります。その結果、空気の通り道が塞がり、一時的に息ができなくなる「気道閉塞」や、体内の酸素が不足する「低酸素血症」を起こしやすくなるのです 。
研究によると、睡眠時無呼吸のリスクが高い患者様は、そうでない方に比べて、鎮静中の低酸素リスクが約10倍高くなるという報告もあります 。
検査前の「1分チェック」が、あなたの安全を守ります。
当院では、鎮静剤を使用する全ての患者様に対し、検査前に「STOP-Bang(ストップ・バン)テスト」を用いたスクリーニングを行っています 。
これは、「いびき」「日中の眠気」「血圧」「首の太さ」などの8項目を確認するだけで、睡眠時無呼吸のリスクを予測できる世界的な評価基準です。
もしリスクが高いと判定された場合:
- お薬の量を慎重に調整する
- 必要に応じて酸素投与、 気道を確保するための器具(経鼻エアウェイなど)を準備する
- 重症の場合は、鎮静剤投与を中止する
などの対策を講じ、万全の体制で検査を実施します。これは、「いびき」を軽視しない当院ならではの安全管理です。
以下の8項目のうち、
当てはまるものを数えてください。
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大きないびきをかきますか? 家族に指摘される、自分のいびきで起きるなど
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日中に強い眠気や疲れがありますか? 運転中や会議中に眠くなる
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呼吸が止まっていると言われたことは? 睡眠中に「むせる」「息が止まる」など
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高血圧ですか? または血圧の薬を飲んでいますか?
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肥満傾向(BMI 30以上)ですか? 身長170cmで体重87kg以上が目安
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年齢は50歳以上ですか?
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首回りが太いですか? 男性40cm以上(Yシャツがきつい)、女性35cm以上
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性別は男性ですか?
睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。
内視鏡検査の鎮静リスクも高くなるため、
事前の検査を強くお勧めします。
内視鏡検査は、隠れた「無呼吸」を見つけるチャンスです。
「胃カメラを受けに来たのに、無呼吸が見つかった」 実は、幸運なことかもしれません。
鎮静下での内視鏡検査は、ある意味で「人工的に睡眠状態を作り出している」ため、普段の寝ている時の呼吸状態(いびきや無呼吸)が再現されやすい環境にあります 。 検査中に医師が「あ、この方は無呼吸があるな」と気づくことで、そこからSASの精密検査や治療(CPAP)へと繋がり、結果として将来の脳卒中や心筋梗塞のリスクを減らすことができる可能性があります。
当院の内視鏡検査は、単にお腹を見るだけでなく、全身の健康リスクをチェックする機会としても機能しています。
内視鏡検査の鎮静剤使用について
内容: 静脈麻酔(鎮静剤)を使用し、ウトウトと眠っているような状態で検査を行います。
リスク・副作用: 血圧低下、徐脈、呼吸抑制(低酸素)、アレルギー反応などが起こる可能性があります。検査後は薬の影響が残るため、当日の自動車・自転車の運転はできません。
費用: 多くの場合、保険診療の範囲内で行われます(使用する薬剤料等が加算されることが多いです)。
この記事の監修者
医療法人社団心匡会 理事長 中村 文保
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医
