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大腸カメラは痛い?痛みを抑える検査の工夫を解説

大腸カメラ

大腸カメラは痛い?痛みの原因と当院で実践している軽減策

この記事でわかること

大腸カメラ検査で痛みが生じる主な原因、鎮静剤(セデーション)の効果と注意点、炭酸ガス送気や無送気軸保持短縮法などの挿入時の工夫、手術歴・体型など個人差への配慮、検査前後に患者さん自身ができる準備とケアについて、消化器内視鏡専門医が詳しく解説します。条件を満たせば当日検査にも対応可能です。

動画:大腸カメラは痛い?痛みを軽減する工夫|金沢消化器内科・内視鏡クリニック

「痛そうで怖い」が検査を遠ざけている

「大腸カメラ検査は痛そうで怖い」──そんな不安から検査を先延ばしにしていませんか。大腸がんは男女ともに罹患数が多いがんですが、大腸カメラで早期に発見すれば治癒が期待できます。痛みへの不安が受診のハードルになっている方に向けて、この記事では大腸カメラの痛みの原因と、当院が行っている軽減の工夫をお伝えします。

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 金沢駅前院は、金沢駅から徒歩5分の立地にあり、お仕事帰りや県外からの受診にも便利です。土曜日の検査にも対応しているほか、条件を満たす方は来院当日の大腸カメラ検査も可能です。鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査のほか、女性医師による検査もお選びいただけますので、安心してご相談ください。

大腸カメラはなぜ痛いと感じるのか

大腸の粘膜は痛みを感じにくい組織ですが、腸管が伸展したり、腸間膜・腹膜が牽引されたりすると痛みが出やすくなります。大腸カメラ検査における痛みの原因は大きく2つあります。1つはスコープ挿入時に腸管が引き伸ばされる「ストレッチ・ペイン」、もう1つは観察用の気体で腸が膨らむ「ディステンション・ペイン」です。

特にS状結腸や脾彎曲部のようにカーブが急な部位では、スコープがループを作りやすく、腸壁が押し広げられて鋭い痛みが出ることがあります。腹部手術(帝王切開・虫垂切除・婦人科手術など)を過去に受けた方は、腸管に癒着が生じていることがあり、スコープが進む際の牽引で強い痛みにつながりやすい傾向があります。また、体型が細い方や女性の方では骨盤腔内が狭く、ループ形成のリスクが高くなるとされています。

当院ではこれらの痛みの原因を踏まえ、検査前・検査中に複数の軽減策を組み合わせて対応しています。

痛みを軽減する当院の工夫

鎮静剤(セデーション)の使用

当院では基本的に鎮静剤を使い、ウトウトと眠っているような状態で検査を受けていただいています。ミダゾラムなどのベンゾジアゼピン系鎮静薬を静脈から投与し、意識レベルを適度に下げることで不安と痛みの閾値を引き上げます。日本消化器内視鏡学会の「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」でも、鎮静下内視鏡は患者さんの苦痛軽減と検査精度の向上に有用とされています(参考文献 6)

鎮静剤を使用した後は拮抗薬(フルマゼニル)で覚醒を促しますが、拮抗薬の効果が切れた後に再び鎮静状態に戻る「再鎮静」のリスクがあるため、検査後はリカバリールームで30分ほどお休みいただいています。鎮静剤を使用した当日は車・バイク・自転車の運転ができませんので、公共交通機関やご家族の送迎をご利用ください。当院は金沢駅から徒歩5分のため、電車でのアクセスに便利です。

炭酸ガス(CO₂)送気

大腸カメラでは腸のひだを広げて粘膜を観察するために気体を注入します。従来は空気を使用していましたが、空気中の窒素は腸管から吸収されにくいため、検査後もお腹の張りが長時間続く原因になっていました。

当院では空気の代わりに炭酸ガス(CO₂)を使用しています。CO₂は窒素に比べて約150〜160倍の速さで腸管から吸収されるため、検査中および検査後の膨満感が大幅に軽減されます。Wang WLらが2012年に発表したメタアナリシスでは、CO₂送気は空気送気と比べて検査中・検査後の腹痛や膨満感を有意に軽減したと報告されています(参考文献 1)

無送気軸保持短縮法による挿入

スコープ挿入時にもっとも痛みが出やすいのは、スコープが腸内でループを形成し、腸壁を押し広げるときです。当院では「無送気軸保持短縮法」と呼ばれる専門的な挿入技術を用いています。送気を最小限にしつつスコープの軸を保持し、腸管を手繰り寄せるように短縮しながら進めることでループの形成を抑え、腸壁への圧迫を大きく軽減します。検査中は必要に応じて体位変換も行い、スコープがもっともスムーズに進行できる角度を確保しています。

スコープ・体型への配慮

体格や腸管の状態は患者さんごとに異なります。当院ではオリンパス社の最新内視鏡システム「EVIS X1」を導入しており、患者さんの体型や腸の状態に合わせてスコープを選択しています。小柄な方や女性の方には、スコープの硬度調整機能を活用し、しなやかに追従させることで腸壁への負担を抑えています。

手術歴・癒着がある方への配慮

過去に腹部手術を受けた方は、腸管に癒着が存在する場合があります。癒着部位ではスコープ通過時に腸間膜が引かれて痛みが強くなることがあります。当院では事前診察で手術歴を丁寧に確認し、挿入ルートや鎮静の深度を個別に調整しています。それでも痛みが強い場合は、無理をせずに検査を中止し、CT大腸検査(CTコロノグラフィ)など別の検査法をご提案することもあります。

鎮静剤あり・なしの比較

項目 鎮静剤あり 鎮静剤なし
検査中の意識 ウトウトした半覚醒状態 完全に覚醒した状態
痛みの感じ方 ほとんど感じないことが多い 人によっては強い痛みを
感じる場合がある
検査後の安静 リカバリールームで
約30分休息
比較的すぐに帰宅可能
当日の運転 不可(送迎または
公共交通機関を利用)
原則可能(ただし体調により
控えることを推奨)
途中からの切り替え 施設の運用方針によっては、鎮静なしで開始した後に
追加投与が可能な場合があります

検査前に患者さんができる準備

痛みの軽減には、検査前の準備も重要です。前日は消化のよい食事(白粥・素うどん・豆腐など)を心がけ、指示された下剤を正しく服用して腸内をきれいにしておくことが大切です。腸内がきれいであるほどスコープの挿入がスムーズになり、検査時間も短縮され、結果的に痛みの軽減につながります。

不安が強いと腹筋が緊張して痛みを感じやすくなるとされています。当院では院内で下剤を服用いただける環境も整えていますので、初めての方や不安のある方はお気軽にご相談ください。スタッフがそばで対応いたします。

検査後の過ごし方

鎮静剤を使用した場合は、検査後にリカバリールームで30分程度お休みいただきます。飲食は検査後1時間程度から可能です。前日からの食事制限や下剤服用で低血糖になりやすいため、甘い飲み物などで糖分を補給するとよいでしょう。

検査中にポリープ切除を行った場合は、当日はゼリーや豆腐など消化のよいものにとどめ、切除後1週間ほどは飲酒・激しい運動・長距離の移動・排便時の強いいきみを控えてください。制限の内容は個人差がありますので、検査後に詳しくご説明いたします。

当日検査にも対応しています

当院では、条件を満たす方であれば来院当日に大腸カメラ検査を受けていただける体制を整えています。60歳以下で治療中の病気がなく、1日1回以上の普通便がある方、腹部手術歴がない方などが対象です。ただし、当日の医師の判断により検査を延期する場合もございますのでご了承ください。金沢駅から徒歩5分の当院であれば、急な受診にも対応しやすい環境です。

関連リンク

参考文献

1. Wang WL, Xu GM, Qu CF, et al. Carbon dioxide insufflation during colonoscopy: a meta-analysis of randomized controlled trials. Aliment Pharmacol Ther. 2012;35(10):1145-1154. doi:10.1111/j.1365-2036.2012.05078.x

2. Shah SG, Brooker JC, Thapar C, et al. Patient pain during colonoscopy: an analysis using real-time magnetic endoscope imaging. Endoscopy. 2002;34(6):435-440. doi:10.1055/s-2002-32268

3. Park DI, Kim HJ, Park JH, et al. Factors affecting abdominal pain during colonoscopy. Eur J Gastroenterol Hepatol. 2007;19(8):695-699. doi:10.1097/MEG.0b013e3281a5e0a8

4. Yoshikawa I, Nagata K, Tabuso M, et al. Unsedated colonoscopy for colorectal cancer screening. Am J Gastroenterol. 2002;97(6):1297-1301.

5. Trevisani L, Cifalà V, Gilli G, et al. Music reduces pain perception during colonoscopy: a systematic review and meta-analysis. World J Gastrointest Endosc. 2014;6(3):74-81. doi:10.4253/wjge.v6.i3.74

6. 日本消化器内視鏡学会. 内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版). Gastroenterol Endosc. 2020;62(9):1635-1690. J-Stage

7. Suzuki H, Ono H, Hirata I, et al. Efficacy and safety of propofol sedation during colonoscopy. Intern Med. 2020;59(12):1477-1484. doi:10.2169/internalmedicine.4146-19

※本記事の内容は上記文献および当院の臨床経験に基づいています。個々の症例により適切な対応は異なりますので、詳しくは担当医にご相談ください。

よくある質問

Q. 大腸カメラ検査はどのくらい痛いですか?

A. 痛みの感じ方には個人差がありますが、当院では鎮静剤を使用し、ウトウトした状態で検査を受けていただくため「気づいたら終わっていた」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。CO₂送気や無送気軸保持短縮法も併用し、痛みを最小限に抑えるよう努めています。

Q. 鎮静剤を使わずに検査を受けることもできますか?

A. 鎮静剤なしでの検査も可能です。鎮静剤を使わなければ検査後すぐに通常の活動ができ、当日の運転も原則可能です。ただし、痛みの感じ方は腸の形状や癒着の有無、体型によって異なるため、ご不安な方には鎮静剤の使用をおすすめしています。事前診察でご希望をお聞かせください。

Q. 検査中に痛みが強くなった場合はどうなりますか?

A. 施設の運用方針によって鎮静剤を途中から追加投与できる場合があります。無理に挿入を続けると腸管損傷のリスクがあるため、モニターの所見やバイタルサインを確認しながら、必要に応じて検査を中止する判断を行います。中止した場合はCT大腸検査など代替の方法をご提案します。

Q. 検査後のお腹の張りはどのくらい続きますか?

A. 当院ではCO₂送気を採用しているため、従来の空気送気と比べて検査後の膨満感が大幅に軽減されます。多くの方は検査後30分〜1時間程度でお腹の張りが落ち着きます。

Q. 以前に他院で痛い思いをしました。それでも大丈夫ですか?

A. 以前の痛みの原因として、鎮静剤の不使用、空気送気、スコープのループ形成、腸管の癒着などが考えられます。当院では鎮静剤・CO₂送気・無送気軸保持短縮法を組み合わせていますので、以前と比べて痛みが大きく軽減されるケースが多くあります。事前診察時にこれまでの検査経験をお伝えいただければ、より適切な方法を検討します。

Q. 女性でも安心して受けられますか?

A. 当院では女性医師による大腸カメラ検査にも対応しています。女性の方は骨盤内のスペースの関係でスコープがループを形成しやすい傾向がありますが、スコープの硬度調整や無送気軸保持短縮法で丁寧に対応しています。検査着は当院でご用意しており、プライバシーに配慮した環境で検査を受けていただけます。

Q. 金沢駅から近いですか?仕事帰りでも受診できますか?

A. 金沢駅前院はJR金沢駅から徒歩5分の場所にあります。土曜日の検査にも対応しているほか、オンライン診療を活用したスマート大腸カメラ検査にも対応していますので、事前受診の回数を減らすことも可能です。お仕事のご都合に合わせてご相談ください。


中村 文保(なかむら ふみやす)

金沢消化器内科・内視鏡クリニック金沢駅前院 理事長

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 / 日本消化器病学会 消化器病専門医 / 日本内科学会 総合内科専門医 / 日本肝臓学会 肝臓専門医

大腸カメラの痛みが不安な方へ──まずはお気軽にご相談ください

当院では消化器内視鏡専門医が事前診察から検査・結果説明まで一貫して対応します。鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査を行っており、女性医師による検査もお選びいただけます。

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金沢駅から徒歩5分|土曜検査対応|当日検査にも対応(条件あり)

姉妹院の金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院(駐車場完備)でも同様の大腸カメラ検査を受けていただけます。土曜日に加え日曜日(不定期)の検査にも対応しており、お車での通院に便利です。ご都合に合わせてお選びください。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。