ブログ

クローン病かもと思ったら|若年層向け初期症状と検査ガイド

大腸カメラ

クローン病かも?と思ったら|若年層の初期症状チェックと検査の受け方

この記事のポイント
  • 腹痛・下痢が長引いたとき、受診すべきかを判断する具体的な基準
  • 大腸カメラ検査の所要時間と仕事への影響の目安
  • クローン病が確定した場合の治療の全体像と通院ペース
  • 日々の食事管理で押さえるべき要点

「下痢と腹痛がもう数か月続いているけれど、忙しくて病院に行く時間がない」──仕事をしながらこうした症状を抱えている20代・30代の方は少なくありません。クローン病は10〜20代に発症しやすい慢性の炎症性腸疾患で、放置すると腸のダメージが進行します。この記事では、受診を後回しにしがちな方に向けて、クローン病を疑うべき初期症状と、効率的に検査を受けるための流れをまとめました。

5年間の下痢・腹痛に悩んでいた20歳の患者さんが、当院の女性内視鏡医の大腸カメラ検査で原因を追究されていく様子を収めた動画です。検査の実際の雰囲気を短時間で把握したい方に向いています。

まず確認|こんな症状があれば受診を

2週間以上続く下痢と腹痛は「体質」ではないかもしれない

クローン病の初期症状として最も多いのが、慢性的な下痢と腹痛です。難病情報センターの情報によると、腹痛と下痢はクローン病患者の半数以上にみられる特徴的な症状です。「ストレスでお腹を壊しやすい」と思っていた症状が、実は腸の粘膜に潰瘍ができていたというケースもあります。

下痢止めや整腸剤で一時的に症状が和らいでも、2週間以上にわたって再発を繰り返す場合は、過敏性腸症候群(IBS)だけでなくクローン病の可能性を視野に入れてください。

受診を急いだほうがよい5つのサイン

サイン 考えられる意味
血便や粘液便が出る 腸の粘膜に炎症や潰瘍がある可能性
食事量は変わらないのに体重が落ちる 栄養吸収障害の兆候
38℃以上の発熱が数日続く 腸の炎症が強まっているサイン
肛門まわりに腫れや膿が繰り返し出る 痔ろうなどクローン病の肛門病変の可能性
口内炎が頻繁にできる 消化管全域に炎症が及んでいる可能性

こうした症状が一つでもある場合は、早めに消化器内科を受診してください。

大腸カメラ検査はどう進む?所要時間と仕事への影響

検査前の準備

大腸カメラ検査の前日は消化のよい食事に切り替え、夜に下剤を服用します。検査当日は朝から腸管洗浄剤を飲み、腸内をきれいにしてから検査に臨みます。当院では院内で下剤を服用できる環境を整えており、自宅での準備が難しい方にも対応しています。

検査自体の所要時間

大腸カメラの挿入から観察完了までは、多くの場合30分〜1時間程度です。ポリープ切除や組織採取を行う場合はさらに時間がかかることがあります。鎮静剤を使用した場合、検査後に30分〜1時間ほどの休息時間が必要になります。鎮静剤の効果が抜けた時点でお帰りいただけますので、半日程度のスケジュール確保が目安です。

検査当日の仕事は?

鎮静剤を使った場合、当日の車の運転はできません。検査後にふらつきが残る場合もあるため、可能であれば検査日は午後の業務を調整しておくのが現実的です。金沢駅から徒歩圏内の当院は、お仕事帰りや通勤途中にも通いやすい立地です。当日検査にも可能な限り対応しますので、まずはお電話やWEB予約でご相談ください。

クローン病と診断された場合の治療と仕事の両立

薬物療法で炎症をコントロールする

クローン病の治療は、炎症を鎮めて寛解(症状が落ち着いた状態)を導き、それを維持することが目標です。軽度の回腸型・右側大腸型ではブデソニド(局所作用型のステロイド)が使われることがあり、中等度以上では免疫調整薬や生物学的製剤(抗TNF-α抗体など)が検討されます。近年は治療の選択肢が広がっており、病変の部位や重症度に合わせて主治医が薬剤を組み合わせます。

ちなみに、クローン病は厚生労働省の指定難病(指定難病96)であり、診断基準と重症度分類の条件を満たせば難病医療費助成制度を利用して自己負担額を軽減できます。

通院頻度と定期検査のペース

寛解を維持できている間は、月1回〜数か月に1回の通院が一般的な目安です。内視鏡検査による定期フォローアップも行い、症状がなくても粘膜レベルで炎症が続いていないかを確認します。治療薬の効果や副作用の確認を含め、主治医と相談しながら無理のないスケジュールで通院を続けることが再燃を防ぐ鍵です。

クローン病の食事管理|忙しい毎日で押さえるべきポイント

脂肪分を控えめにし、腸への負担を減らす

難病情報センターによると、動物性脂肪の多い食事が腸の炎症悪化に関連する可能性が指摘されています。ただし、食事と病態の関係には個人差が大きく、「これだけ避ければよい」と一概に言えるものではありません。揚げ物やこってりした食事を控えめにし、脂肪分の少ないタンパク源(鶏むね肉、白身魚、豆腐など)を中心に選ぶのがひとつの目安ですが、主治医や管理栄養士と相談しながら自分に合った食事を見つけていくことが大切です。

外食・コンビニ食でも工夫できる

忙しいビジネスパーソンにとって、毎食自炊するのは現実的ではありません。コンビニであればおにぎりやうどん、蒸し鶏のサラダなどが比較的腸にやさしい選択肢です。外食では和定食を選び、天ぷらやフライは避けるといった工夫で対応できます。「自分にとって合わない食品」を食事日記で把握しておくと、再燃リスクの管理に役立ちます。

喫煙はクローン病のリスク因子

難病情報センターによれば、喫煙者は非喫煙者と比べてクローン病を発症しやすいとされています。すでに診断を受けている方にとっても、喫煙は再燃リスクを高める要因です。禁煙が難しい場合は、禁煙外来の利用も選択肢に入ります。

よくあるご質問

クローン病は治る病気ですか?
現時点で完治させる治療法はありませんが、薬物療法と栄養管理で寛解を維持し、発症前に近い生活を送れるケースが増えています。指定難病として医療費助成も受けられます。
初診から大腸カメラ検査まで何日かかりますか?
当院では、初診時の問診・血液検査のあと、最短で翌日以降に大腸カメラを予約できます。当日検査にも可能な限り対応していますので、スケジュールが限られる方はお電話でご相談ください。
大腸カメラ検査を受ける日は丸一日休む必要がありますか?
鎮静剤を使う場合、検査後に30分〜1時間ほどの休息が必要です。午前中に検査を受ければ、午後から軽い業務に戻れる方もいます。ただし当日の車の運転はできません。
クローン病の通院頻度はどのくらいですか?
寛解期であれば月1回〜数か月に1回の通院が一般的な目安です。症状の変化に応じて間隔を調整しますので、仕事との両立は十分に可能です。
クローン病と過敏性腸症候群はどう区別しますか?
過敏性腸症候群は大腸カメラで明らかな炎症や潰瘍が見つからない機能的な疾患です。クローン病では内視鏡で特徴的な潰瘍や粘膜変化が確認されます。血便や体重減少がある場合は特に鑑別が必要です。
難病医療費助成制度はどうすれば利用できますか?
指定難病の診断基準と重症度分類の条件を満たした場合に申請できます。主治医に診断書を作成してもらい、お住まいの都道府県に申請する流れです。詳しくは受診時にご説明します。

まとめ

クローン病は20代前後の働き盛りに発症しやすく、長引く下痢・腹痛・体重減少などが初期のサインです。「忙しいから」と受診を後回しにしている間に腸の炎症が進行すると、狭窄や瘻孔といった合併症のリスクが高まります。大腸カメラ検査は半日程度のスケジュールで受けられ、鎮静剤を使えば苦痛も抑えられます。

早期に診断がつけば、薬物療法と食事管理で寛解を維持しながら仕事を続けている方も大勢います。腹部の不調が気になっている方は、まず消化器内科で相談してみてください。

当院で相談する目安

2週間以上続く下痢や腹痛、食事量が変わらないのに体重が減っている、肛門まわりの腫れが繰り返されるといった症状は、クローン病の可能性を含めた精査が望ましいサインです。当院(金沢駅前院)は金沢駅から徒歩圏内にあり、お仕事帰りや通勤途中にも通いやすい環境です。鎮静剤を使った苦痛配慮の大腸カメラ検査に対応しており、女性医師による検査もお選びいただけます。当日検査にも可能な限り対応しますので、まずはWEB予約またはお電話でお問い合わせください。

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 金沢駅前院
金沢駅から徒歩圏内・仕事帰りにも通いやすい立地
24時間WEB予約はこちら

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査の要否については、医師にご相談ください。

参考文献
  1. 難病情報センター「クローン病(指定難病96)」一般利用者向け https://www.nanbyou.or.jp/entry/81
  2. 難病情報センター「クローン病(指定難病96)」診断・治療指針(医療従事者向け) https://www.nanbyou.or.jp/entry/219
  3. 日本消化器病学会「炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020(改訂第2版)」 https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/ibd2020_.pdf
  4. 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班「潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針(令和6年度改訂版)」 http://www.ibdjapan.org/pdf/doc15.pdf(代替:難病情報センター医療従事者向けページ
  5. 金沢消化器内科・内視鏡クリニック「クローン病の内視鏡所見と診断基準|治療方針の決定」 https://naishikyo.or.jp/endoscopy/crohns-disease-criteria/
文責
中村 文保
金沢消化器内科・内視鏡クリニック 野々市中央院/金沢駅前院(医療法人社団心匡会 理事長)
日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医